第二章
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「私も私の家族も貴女を絶対にいじめないから」
「大事にしてくれますか」
「はい」
一緒にいるジョンにも答えた。
「これも神のお導きです」
「この娘を知ったことは」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「これからはです」
「この娘にですか」
「辛い目に遭ってきた分」
それだけというのだ。
「宜しくお願いします」
「それでは」
ジョンも応えた、そうしてだった。
アナベルは新しい家族に迎えられた、最初は家の中でも塞ぎ込んでいて家族にも近寄ろうともしなかった。しかし。
タウニアも家族も彼女に優しくしていった、優しい声をかけ。
散歩もブラッシングも丁寧に行いご飯も欠かさずたっぷりとあげた。寝ているとそっとしてもあげた。
するとだった。
アナベルは少しずつ震えなくなり家族に近寄る様になった。そしてだった。
「今ではいつも家族の傍にいてくれています」
「そうなったんですね」
「はい」
タウニアは電話の向こうのジョンに答えた。
「そうなりました」
「そうですか」
「はい、そして」
それでというのだ。
「誰にも優しくて明るくて」
「明るくなったんですね」
「はい」
このことも話した。
「最初の頃とは別人いえ別犬の様に」
「それは何よりです」
「本当によかったです」
「そこでよかったと思えることが大事ですね」
ジョンは今このことがわかった。
「よかったと。あの娘のことを考えて」
「そうしてですか」
「言える人の家族になれたから」
だからだというのだ。
「あの娘はまた明るくなれたんです」
「そうなのですか」
「人も犬も同じですから」
実感していた、今このことを。
「優しくしてもらって暖かい中にいれば」
「心を開いてですね」
「はい、明るさもです」
これもというのだ。
「取り戻します。あの娘は元々明るい娘だったそうなので」
「私達の家族になってですか」
「もう一度そうなりました」
「そうですか」
「はい、有り難うございます」
ジョンは電話の向こうのタウニアに心から感謝の言葉を述べた。
「あの娘を救ってくれて」
「むしろ私達の方が新しい家族を迎えらえて」
「それで、ですか」
「そう言いたいです」
有り難う、そうだというのだ。
「本当に」
「そうなのですか」
「いい娘と巡り合わせてくれて」
タウニアもまた心から感謝の言葉を述べた、二人はそうしたやり取りをした。
そしてその後でだった。
ジョンはタウニアからメールを受け取った、そこには彼女の家族が家の中で笑顔で一緒にいる画像が添えられてあった。そこにはアナベルもいたが。
アナベルの目はキラキラと輝いていて家族の中心にいた、怯えた様子は全くなく表情も生き生
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