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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
財団-まえぶれ-
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何もさせぬまま、一人、また一人と斬っていく。
そこに優しさなんてない。
目の前に現れたから斬る。
その時の表情はひどく冷たいものだし、見ている俺でさえ恐ろしく思えた。
「マスターだ!マスターの方がまだ弱い!そっちを狙え!!」
奴らが標的を武蔵ちゃんから俺へとメインに移す。
銃をかまえ、四方を囲んでジリジリと近づく奴ら、
だがそうやったって、俺はそう簡単には倒せないぞ!
「俺の武器は、これだけじゃないんだよ!!」
メイスを腰に据え、刀を引き抜く。
火花を散らしながら紅い刀身が現れ、バチッと紅い雷が迸る。
握る手に力を込めると、それに呼応するように雷はどんどん強くなる。
そして、
「っらぁ!!!」
横薙ぎにふるい、周囲の奴らをいっぺんに攻撃する。
持っていた銃は爆散し、手にはそれから来るダメージを負って武器も握れなくなるだろう。
そうして俺は動けぬ1人に向かって刀を振りあげようとしたが…
「…!!」
「大和くん…?」
動きを、止めた。
武蔵ちゃんが不思議そうに見ているのが分かる。
「ひ…ひぃっ!」
「…!」
目の前にいる男は震え、両手で顔を覆い死の瞬間を待っている。
しかし俺は動かない。
いや、動けない。
フラッシュバックするあの光景。
蘇ってくる人を殺した感触
血を流し、腕の取れた死体。
誰がやった?俺が斬った、俺が殺した。
この手でやった。刀から伝わる、柔らかな肉を斬るあの感触。
一種の気持ち悪さと、自分は人を殺したんだという罪悪感。
その二つで頭がいっぱいになる。
そうして俺は…
「死にたくなかったら…死ぬ気でここから逃げろ。そうすれば殺さない。」
振り上げた刀を振り下ろすが、それはやつの眼前で止める。
情け。そう、情けだ。
そう言われた男は急いで立ち上がり、仲間の安否もいとわずこけながらも全速力でここから逃げていった。
「…。」
人は…殺せない。
度胸が足りないのかもしれない…でも、わざわざ殺す必要も見つからないんだ。
今の俺を見て武蔵ちゃんはなんて言うだろうか…
情けない?弱い?
今の俺は、何を言われても仕方がない。
「大和くん!!!」
そう思っていたら案の定、武蔵ちゃんが怒ったような表情で呼んでいる。
何を言われるんだろうなと刀をおさめながら、そっちに向かおうとすると
「後ろ!!」
「…?」
そう言われ、振り向く。
するとそこには手から血を流しながらも、必死の形相で拳銃を握る男の姿が。
先程無力化した奴の1人だ。
「死ね…!」
「!!」
勿論、銃口はこちらを向いている。
おさめた刀を抜こうとするも、遅い。
俺が刀を振り抜くよりもあっちが引き金を引いて銃弾を俺に当
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