大豪邸
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部屋の外に向ければ、妙に外部が騒がしい。
「ねえ、リゼちゃん」
「それにこれは……ん? どうした?」
可奈美の言葉に、リゼも口を閉じる。
ピンクの眼帯ウサギ人形をぎゅっと抱きしめながら、可奈美は尋ねた。
「何か、黒服の人たち、慌ただしくない?」
「そういえば……」
友奈も異変に気付いたようだった。バタバタと慌ただしい足音が、隠れることもなくリゼの部屋にまで響いてきている。
「どうしたのかな? 黒服の人たちのお祭りでもあるのかな?」
「どうしてそうなるんですか」
「いや、そんな話は聞いてないけどな」
ココア、チノ、リゼの言葉を聞き流し、可奈美は友奈と目を合わせる。
友奈は頷いた。
「ちょっと、様子を見てこようか?」
友奈のそんな発言に、三人の女子中学生はなお一層目を輝かせた。
「「「行きたい(です)!」」」
「怪盗?」
そんなワードが、可奈美の耳に届いた。
「昨日盗みの予告状が来たんです」
「予告状?」
その言葉に、友奈が首を傾げた。
「可奈美ちゃん、もしかして見滝原って、よく怪盗とか現れるの?」
「うーん、私は聞いたことないなあ」
「私もだな。そもそも、親父は今朝そんなこと言ってなかったぞ。そもそも、今朝はあまり顔合わせてくれなかったが」
「きっと心配でそれどころじゃなかったんじゃないんですかね。ほら、お嬢を危険にさらすわけにもいきませんし」
「……」
リゼは頷いた。
その背後で、ココアが黒服に尋ねる。
「ねえ、もしかしてその怪盗って、今見滝原で噂になってる怪盗?」
「だと思いますよ」
黒服が答えた。
「なんでも、是非警備を固めたまえってことです。警察もあちこちで色々と動いてくれいますけどね」
「噂?」
友奈がココアに尋ねた。
「もしかして、怪盗って噂になってるほど多いの?」
「え? 聞いたことないの?」
ココアが目を丸くした。
「見滝原に怪盗現るって、今結構噂になってるよ?」
ココアはにたりと口元を歪めた。
「何でも、厳重に保管された倉庫であればあるほど、狙われる可能性が高いらしいよ」
「厳重なお宝を狙うってこと?」
「うん。でも、それをどうするかはよく分からないんだって。ね、チノちゃん」
「はい。私もマヤさんとメグさんから聞きました」
チノも同意する。
「貧乏にお金を分けるとか、豪遊するとかいろいろ言われていますね。でも、あくまで噂ですけど」
「うーん……噂か……」
可奈美は両腕を組んだ。
「でも、困ったな……もし本当に怪盗が来るのなら、ココアたちも危ない目にあう可能性もあるし……」
「心配しないで! リゼちゃ
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