大豪邸
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間で、友奈は目を輝かせていた。
玄関から入ったその場所は、おとぎ話のダンス会場にもなりそうな広間だった。中心を真っすぐ縦断する赤いカーペットは、先で二つの階段につながっており、そこから王子様でも出てくるのではないかとさえ思えた。
そこで友奈が、天井のシャンデリアを見てはしゃいでいた。
「私、シャンデリアって初めて見たかも!」
「え? 友奈ちゃんシャンデリア見たことないの?」
「記憶には全然ないよ! これって、部屋のどこかにスイッチがあって、押したらガッシャーんって落ちてくるんでしょ?」
「それ映画の中の話だよ? ねえ、ココアちゃんチノちゃん」
「え? 私もそう思ってて、部屋のスイッチ探していたんだけど」
ココアの言葉に、チノも頷く。
可奈美が苦笑いをしたところで、右側の階段より、「おーい」という声が聞こえてきた。
「よく来てくれたな、みんな!」
部屋着姿のリゼが、笑顔で迎えてくれた。
「行くよ!」
可奈美は、手に持った鉄棒を振るう。過去に何度も練習してきた剣舞。可奈美がいた美濃関学院では珍しくもないものだが、ココアたちには珍しいもので、やはり一挙手一投足、歓声があふれてきた。
「すごい! 可奈美、お前CQCにもきっと精通するぞ!」
「CQC?」
「すごいです可奈美さん……!」
チノも、可奈美に尊敬のまなざしを向けている。
「これは、日本舞踊の一つだよ。あんまりメジャーじゃないかもしれないけど。そもそもこういう剣舞ってね、人類史でも剣が生まれたのと同時に、色んな国で行われてきたんだよ。中で私が好きなのは_____」
この時、可奈美は無意識に剣の踊りについて語り始めていた。
やがてそれは、ココアとチノを白目にさせるほどに続いてしまったのには気付かず、それどころかリゼを燃え上がらせてしまった。
「お前の剣好きには、きっと私にも通じるものがある!」
「え?」
可奈美がきょとんとしている間に、いつの間にかリゼは黒い鋼を手にしていた。
そう。巨大な銃を。長い銃身により、よりリゼの体に対して大きく見えるものを。
「リゼちゃん何それ!?」
「どうだ!? これは私のお気に入りの一つなんだ。ブルパップ式アサルトライフルと言ってな、命中率や射程が犠牲になる代わりに持ち運びやすさに特化して_____」
リゼの口調は、言ってしまえば可奈美の銃版。ありとあらゆる軍隊の銃をまさにマシンガントークでうち放ち、ココアとチノは「久々のリゼちゃん(さん)のミリオタ知識だ」と嘆きだした。
その時。
「ここは問題ないか?」
「異常ありません」
リゼの言葉の最中、部屋の外から明確に黒服たちの声が聞こえてきた。
意識を
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