第124話
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れを気遣っているだけの話で、実際の儂が持つ権限は他の守護騎士達と変わらぬよ。それにノーザンブリアの件にしても、儂は守護騎士としての務めを果たしたまでじゃよ。――――――それよりも、内戦の際Z組の諸君には儂の為に随分と時間を取らせてしまってすまなかったの。」
「へ……?内戦の際……?――――――ああっ!?」
「確かパウロ教区長の依頼で安否確認を頼まれた巡回神父だったな。」
「ん……そういえば、ユミルの神父から受け取ったわたし達充ての手紙に書いてあった名前もバルクホルンだったね。」
「道理であんな短時間で帝国各地の教会に回れた訳だよね〜。守護騎士だったら”天の車”が使えるから、それを使って帝国全土を移動していたんだろうね〜。」
バルクホルンの話を聞いて首を傾げたマキアスだったが心当たりをすぐに思い出すと声を上げ、ラウラとフィーは当時の出来事を思い返し、ミリアムは疲れた表情で呟いた。
「しかしこれで、ガイウス君の過去の知り合いは実は結構凄い事になっている事が判明したねぇ。」
「た、確かに言われてみれば……」
「守護騎士に加えて”六銃士”の内の4人――――――クロスベル双皇帝の片翼とその正妃、もう一人のクロスベル皇帝の正妃にしてクロスベル帝国軍の”総参謀”、そしてクロスベル帝国軍の将軍とどの人物もそれぞれの組織にとっては相当高い地位に就いている人物ですものね♪」
「しかも帝国正規軍の第三機甲師団を任されている叔父上とも親しいからな……それらの件を考えると、改変された今の世界の彼の将来もまた、リィン達のように”本来の歴史”よりも出世しているかもしれないな。」
からかいの表情を浮かべたアンゼリカの言葉にその場にいる多くの者達が冷や汗をかいている中アリサは表情を引き攣らせ、シャロンは微笑みながら答え、ミュラーは苦笑していた。
「で?アンタもその”守護騎士”とやらという事は、もしかして昨日の件でぶっ倒れたあの眼鏡のオッサンの代わりにオレ達に力を貸してくれる為にわざわざここに来たのか?」
「いや……期待している所心苦しいが君達にとっては残念な知らせとなる情報を伝える為にこちらを訊ねたのじゃ。」
「………………………………」
「ぼ、”僕達にとって残念な知らせ”ってどういう事ですか!?」
「!も、もしかして……昨日の作戦でトマス教官とロジーヌちゃんがわたし達に協力してくれた事を”星杯騎士団”が問題視したんじゃ……!」
アッシュの質問に対してバルクホルンは重々しい様子を纏って答え、ロジーヌは辛そうな表情で黙り込み、バルクホルンが口にした不穏な言葉が気になったマキアスは不安そうな表情で訊ね、すぐに心当たりを察したトワは不安そうな表情で呟いた。
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