最終章:無限の可能性
第281話「求めていたモノ」
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一発被弾した瞬間、神の声が響く。
同時に、帝は大きく移動できないように結界で行動範囲を制限された。
神は誘導していたのだ。帝が優奈達を庇うのを想定した上で。
「くそっ……!」
全方位だった弾幕が帝へと集中する。
移動が制限された範囲内全てを埋めるように、弾幕が飛ぶ。
速さが尋常じゃないため、帝の超スピードでも避け切れない。
「がっ……!?」
防御を抜けられる。
一発、二発と続けば後はなし崩しだ。
耐えは出来るが、連続で弾幕を食らい続ける事になる。
「ぁぁぁああああああああ……ッ!?」
それでも、倒れる事だけはしない。
身を挺してでも、優奈達の戦いを邪魔させない。
その“意志”で、自らを盾に耐え続ける。
『マスター!』
「大、丈夫、だ……ッ!!」
絶え間のない弾幕。
どうにかして切り抜けない限り、倒れるまで弾幕は続くだろう。
そんな事は、考えなくとも帝とエアにはわかっていた。
「(絶体絶命……なのに、なんでだろうな……)」
どうしようもない状態。
しかし、帝はどこか落ち着いていた。
「(……そうだ。俺は、英雄にばかり憧れていた訳じゃない)」
何もない空洞に、火が灯る感覚を味わう。
それは蝋燭のような小さな火だったが、徐々に変わっていく。
「(エアといるからか、こんな状況でも―――)」
燃え上がる。闘志が、心が、“意志”が。
決して消えぬ炎のように、全てを焼き尽くさんとばかりに燃え上がる。
「(―――俺は、燃えている!!)」
無意識に笑みを浮かべる。
そんな帝の心情を理解できたのは、ユニゾンしているエアだけだった。
「行くぞ、エア」
『……はい!』
未だに続く弾幕を、帝は見据える。
そして、息を大きく吸い、“ソレ”を開放した。
「いつまでも上位に立ってんじゃ、ねぇぞぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!!」
「ッッ―――!?」
気が光となって爆ぜる。
次の瞬間、帝は弾幕を突き抜け、神に肉薄していた。
「っづ……!?」
「ぉぉぉおおおおおおおおおおおッッ!!」
腕をクロスし、神が防御する。
その上から、帝は押し込むように突き進み続ける。
まるで、これが限界ではないと。まだまだ行けると、吼え立てるように。
「ッ……二人、目……!!」
「……よく耐えたわ。葵」
一方で、優奈達の戦いも進んでいた。
葵が仕掛けた同化の効果が身を結び、二人目の“天使”を倒し切った。
これで、数は五分五分になった。
「はぁ……はぁ……っ!
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