最終章:無限の可能性
第281話「求めていたモノ」
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て、“最早これまでか”と帝は目を瞑った。
「―――……?」
しかし、来るべきである衝撃は来なかった。
「―――まったく、私がいないと相変わらずダメなんですね。マスター」
「ッ―――!?」
直後、聞こえてきた声に帝は耳を疑った。
すぐさま体を起こし、声の聞こえてきた方に目を向ける。
「……エ、ア……?」
「はい。貴方の相棒、エアですよ」
そこにいたのはエアだった。
乖離剣エアを模した剣を持って、帝へ放たれるはずだった攻撃を受け止めていた。
「造られた命か。そんな存在が、俺に勝つつもりか?」
「私だけでは勝てないでしょう……ですが……!」
押し込まれそうになる剣を両手で支える。
そんなエアが纏うのは、魔力ではない。これは、理力だ。
「私とマスターの二人ならば……!」
「理力だと……!?」
「神界謹製のデバイスを嘗めないでください!」
拮抗する理力と剣。
だが、それでもエア単身では神に勝てない。
「帝!」
「ッ、はぁっ!!」
だからこそ、マスターである帝がいる。
気を開放し、横合いから神を蹴り飛ばす。
「エア……」
「再会を喜びたい所ですが、後です」
「……ああ」
隣に並び立ち、帝は蹴り飛ばした神を睨む。
「単に二人掛かりで戦った所で私は足手纏いです。飽くまで私はデバイスですから」
そう言って、エアは帝に手を差し伸べる。
「エア?」
「……握ってください。そして、信じていますよ。マスター、貴方が勝つ事を」
言われるがままに帝はエアの手を握る。
直後、エアの体が光に包まれる。
「ユニゾン・イン」
「ッ……!!」
エアは神界の神に作られたデバイスなだけあり、途轍もなく高性能だ。
デバイスは本来、ストレージやアームドなど、長所別に種類が分けられている。
だが、エアは全ての種類の長所を併せ持つ。
だからこそ、ユニゾンデバイスの機能であるユニゾンが使えた。
『私とマスターで、打ち勝ちましょう』
「……ああ!」
光が収まる前に、神が転移と同時に仕掛けてくる。
「第二ラウンドだ……!」
「……ほう……!」
繰り出された理力を纏った一撃を、帝が真正面から受け止める。
拮抗した力が弾け、爆発を起こすと同時に二人は姿を消す。
「おおおおおおおおっ!!」
「はぁあああああっ!!」
力と力がぶつかり合う。
衝撃波を撒き散らし、何度も拳と蹴りをぶつけ合った。
「ッ……らぁっ!!」
「ぐっ……!」
拳が顔面を捉え、帝は吹き飛ぶ。
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