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幻の月は空に輝く
日向宅へのお誘い
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 目を閉じ、神経を集中させる。
 一点だけじゃなく、360度全てにチャクラを張り巡らせ、私は散漫な動作で十指を微かにだが動かした。
 十指の絃を意識して思いのままに動かすっていう真似は正直難しい。でも、始めはチャクラを満足に練る事も出来なかった事を考えれば、十指中八指は思い通りに出来るようになった。
 年齢を考えれば十分すぎる程の成長速度かもしれない。けれど、足りない。
 何もかもが足りないのだ。

 タンッ、と地面を蹴り上げ、まるで舞いでも踊るかのように両腕を交差させていく。将来的には十指だけじゃなく、身体から練り上げたチャクラだけで絃をつくり、手足の動き無しで自由に動かしたい。
 原作で、九尾のチャクラを纏ったナルトがチャクラだけを動かしてた。意志の力で。それを正気を失わず、自分を保った状態で維持し手足の如く動かす。
 道のりは遠いけど、それぐらい出来なければ尾獣を全て手に入れようとしているマダラに勝てる気はしないし、これから確実に起こるであろう事を阻止出来るとも思えない。

「水遁の術――水流陣」

 絃を操りながら、別にチャクラを練り上げ水遁の術を完成させる。
 それを、無属性のチャクラの絃で消滅されるのが今日の課題だ。新術の開発もしたいけど、始めに絃の強化の方が重要かなというわけで、まず始めに色々な術を相殺する事から挑戦してみる事にした。
 本当は相殺が目的じゃないけどね。
 まぁ、しかし相殺する事も出来ないんじゃお話にもならないというわけで、水流陣が濁流に変わる前に絃で斬るように消滅させていく。

 …なんていうか、自分で術を完成させてそれを消滅させるっていうのは忙しい。下手に間をあけたら自然破壊に勤しむ事になるし、かといって威力を弱めたら鍛錬にならない。加減も難しいな、なんて音に出さずに呟いてみると同時に背中で感じる違和感。
 チリ、としたようなざわめく感覚。

「誰だ?」

 そう…誰かに見られているような感覚。
 絃を相殺の為じゃなく、探索に切り替えて誰かを探る。

「…ネジ、か」

 けれど探るより先に、最近仲良くなった白い瞳を持つ子供が私の前へと姿を現した。のんびりというか、堂に入っているというか。
 肩で風をきらなくてもいいのに、と内心突っ込みながら、私はネジの到着を無言で待つ。あれからネジとはクナイや小刀や私の持っている特殊な絃の事でも話したけど、こうして内緒の修行を見られるのは初めてだ。
 というか、ネジの前でまともに術を見せた事はない。
 つまり、こっそりこっそりとやっていた事を見られたという恥ずかしさはあるものの、それを表に出すような精神年齢何十歳じゃないのだ。
「……ランは修行中か?」
「あぁ」
「絃…は、例のものか」
「あぁ」
 
 私がチ
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