第一章
[2]次話
十年後の再会
アメリカペンシルバニア州でこの時デボラ=スーベルト、ブロンドの長い髪の毛で整った顔の彼女はおう言った。
「長い間探したけれど」
「見付からないな」
夫のロイド、やや肉付きのいい黒髪を右に流した青い目の彼も言った。
「インターネットでもそうしているが」
「何処に行ったのかしら」
「庭で遊んでいたらだな」
「急にいなくなってなのよ」
妻は夫に困った顔で話した。
「それでね」
「すぐに見付かると思ったがな」
「そうはいかないね」
「これはどういうことかしら」
「わからない、無事ならいいが」
「本当にね」
「カーリーも心配しているのに」
二人の娘だ、黒髪は父親そして顔立ちは母親に似ている。
「アビーは何処に行ったのだろう」
「目立つ子だし」
妻はその消えてしまった愛犬の話をした。
「あの子は」
「ああ、真っ黒で大きくてな」
「垂れ耳で雄で」
「特徴のある子だからな」
「すぐに見付かる筈なのに」
「マイクロチップも埋めているしな」
「すぐに見付かる筈なのに」
デボラは項垂れて言った、一家で何処かに消えてしまったアビーを必死に探し続けた。だが彼は見付からず。
十年経っても見付からなかった、それでだった。
夫も項垂れて言った。
「まだ探していてもな」
「もう十年だしね」
「流石にな」
「もう会えないかしら」
「そうかもな」
もう諦めかけた、だが。
そうした話をしだした頃に家に電話がかかってきた、妻が出ると。
「あの、そちらで探していた」
「えっ、まさか」
「黒くて垂れ耳の大型の雄犬ですね」
「はい、そうです」
妻は電話の向こうの警官に答えた。
「名前はアビーです」
「マイクロチップでわかったのですが」
「アビーが見付かったんですか」
「今警察で保護しています」
「わかりました、今すぐ行きます」
まさに一も二もなかった、そうしてだった。
一家ですぐに警察に向かった、すると。
そこに警官が言った通りの犬がいた、妻はすぐに犬の名を呼んだ。
「アビー!?」
「ワンッ」
「間違いないわ、アビーよ」
妻は犬の返事を受けて夫と娘に言った。
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