第一章
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本当の親子の様に
この時カナダのトロントにいるトマス=スチューダーは愛犬である雌のゴールデンレッドリバーのキーノの散歩に出ていた、その途中だった。
「ワンワン」
「どうしたんだ?」
スチューダーはキーノが茂みを見て鳴いたのを見て彼女に問うた、目は緑で鼻は高く黒髪をオールバックにしていて目は青く背は一七六位で均整の取れた身体をしている。職業はバスの運転手だ。
「一体」
「ワン」
キーノは彼にも顔を向けて言って来た、まるで茂みの中に入ろうと言っている様だった。
それで彼は茂みに入ってみた、すると。
「ニャ〜〜」
「猫か」
茶色と白の毛で耳の大きな子猫だった、キーノはその猫をじっと見ていた。それで彼はキーノがこの猫を助けたいのだと察した。
「わかった、この子家に連れて帰ろう」
「ワンッ」
キーノはその声に応えた、そしてだった。
彼が猫を拾い上げると尻尾をぱたぱたと動かした、それは彼等が家にいる間ずっと続いた。そうして。
妻のメリー、ブロンドで青の目で小柄な彼女に事情を話した。すると妻もキーノを見てこんなことを言った。
「キーノはゴールデンレッドリバーそれに女の子だから」
「だからだっていうんだ」
「ええ、ゴールデンレッドリバーは優しい性格で」
夫にさらに話した。
「女の子は特にね」
「優しいからか」
「だからね」
それでというのだ。
「この子に気付いて」
「僕に助けて欲しいって願ったんだな」
「そうだと思うわ」
「猫なのにか?」
夫はその猫を見て言った、見ればキーノはずっとその子猫の傍にいて寄り添いそして優しい目で見ている。
「そうしているのか」
「生きものの種類は違うけれど」
それでもというのだ。
「けれどね」
「それでもか」
「その違いを超えて優しさを注いだのよ」
「キーノはそうしたんだな」
「だから私達もね」
「キーノに負けない様にか」
「この子を育てていきましょう」
その子猫を見つつ夫に話した。
「そうしていきましょう」
「そうか、それじゃあな」
「これからね」
「この子を育てるか」
「一緒にね」
家族でとだ、こう言ってだった。
家族でその猫を迎えた、猫は雄でコーダと名付けられた。コーダはすくすくと育ちとても元気でだった。
家ではとてもやんちゃだった、それでだ。
夫は妻に笑って言った。
「本当にコーダはな」
「やんちゃね」
「しょっちゅう悪さをするな」
「猫はそうだって聞いたけれど」
「本当に悪いな」
「そうよね」
「けれどな」
それでもとだ、夫は妻にこうも言った。
「そんなコーダがな」
「可愛いのよね」
「逆に元気がなかったら」
そうならとも言った。
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