帰ってきた鬼軍曹
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チノも同じような距離感をリゼに行うので、本当に姉妹なんじゃないかなと思ってしまった。
「お、落ち着け! 写真あるから」
リゼはそう言って、スマホを机に置く。
離れた方がいいかなと思った可奈美は、店の呼び鈴に「いらっしゃいませ」と言った。
「じゃあココアちゃん、チノちゃん。お店は私一人でやるよ。積もる話もあるだろうし」
「え? そんなの悪いよ。可奈美ちゃん、私も手伝うよ」
「大丈夫だよ、どうせ暇だし」
「うごっ!」
流れ弾がチノに命中した。
「これからの時間帯、多少増えるだろうけど、一人で捌けない量じゃないと思うから」
「待ってくれ」
リゼは頬を掻きながら言った。
「その……久しぶりに、私も接客に入れてもらえないだろうか?」
「お前ら! 気合は入っているか!?」
「「「サーッ!」」」
「返事はどうした!?」
「「「イエッサー!」」」
可奈美、ココア、そして今日もやってきた友奈は、同時に敬礼した。
すると、ラビットハウス制服を纏ったリゼは、瞬く間におかしなスイッチが入ってしまった。
「その……これ、何?」
出前から帰ってきたハルトは、それ以上何も言えなくなっていた。
「リゼさんが戦場の悪魔に復帰しました」
「いいけど……俺今日シフト入らなくてもいいの?」
「多分問題ないと思います」
チノがあっさりと言った。
今、カウンターで謎の軍隊ごっこをしている四人に何も言えず、ハルトはただ眺める他なかった。
リゼという、久々に見滝原に帰ってきた少女を教官として、可奈美、友奈、ココアの三人で軍隊のような掛け声が上がっている。
「よし! それでは、号令! いらっしゃいませー!」
「「「いらっしゃいませーっ!」」」
「声が小さい!」
「……あれ、このお店で必要あるの?」
「ありませんね」
と、チノ。
いらっしゃいませの軍事練習は、やがてなぜか巻き舌も入ってきて、収拾がつかなくなってきた。
「でも、折角だからってチノちゃんの制服を友奈ちゃんが着てるけど、今日はいいの?」
「お客さんも来ませんし、折角ですから。ハルトさんも友奈さんと知り合いだったんですね」
「まあね。……お客さんを普通に巻き込んでもいいのだろうか」
ハルトは、そんなことを考えながら、友奈を見つめる。
「ねえ、友奈ちゃんはどうしているんだ? お客さんだったら、こっちにいればいいのに」
「どうやら、リゼさんのミリオタぶりが、お友達を思い出すそうです。それで、意気投合したんです」
「……へえ。でも、客をそのまま店員に入れるか普通」
「楽しそうですし、いいんじゃないですか。リゼさんが来てくれて、私もうれしいです」
「……そっか
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