暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
帰ってきた鬼軍曹
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「みんな! 帰ったぞ!」

 そんな声が響いたのは、そろそろ見滝原がアマゾンのショックから立ち直ったころ。
 ラビットハウスの入り口に、見覚えのない少女がいた。
 黒いツインテールの少女。発育のよい体と逞しい四肢。白と紺のストライプの服が特徴で、丸い目つきながら、とてもエネルギッシュにも思えた。
 予期していた顔がいないのか、彼女は目を丸くしてラビットハウスを見渡していた。

「あ、あれ……?」
「いらっしゃいませ……ですよね?」

 可奈美は躊躇いがちに言った。すると少女は、少し恥ずかしそうに「あ、ああ。そうだ」と頷いた。

「どうぞ」
「失礼する」

 少女は、現時点での唯一の客である。テーブル席を案内し、水を出すと、少女は「ありがとう」と礼を言い、水を飲んだ。

「えっと……お客さん、もしかしてよくここに来ていたんですか?」

 すると少女は頷いた。

「ああ。前までここでバイトしていたんだ。夏休みくらいから留学でやめて、年末だから帰ってきたんだよ。その……すまないな。変なところ見せた」
「ううん。全然」

 可奈美は少女の向かいに座る。

「もしかして、チノちゃんとココアちゃんに会いに来たの?」
「ああ。今はいないのか?」
「まだ学校から帰ってきてないから。今日はたぶん寄り道しているんじゃないかな?」
「ああ、想像がつくよ」

 リゼは微笑した。

「どうせまたシャロのクレープ屋だろうな。なら、少し待たせてもらおうかな。シャロもどうせ連れてくるだろうし」
「ねえ、じゃあそれまでの間、チノちゃんとココアちゃんがどんなだったか教えてくれない? 私もここで色々とお世話になってるし」
「ああ、いいよ」

 可奈美は喜んで、「あっ」と思い直す。

「自己紹介してなかったね。私、衛藤可奈美。よろしくね」
天々座理世(ててざりぜ)だ。リゼでいいよ」
「リゼちゃんだね」

 可奈美は頷いて、リゼの話に耳を傾けようとする。
 だが、リゼが話す前に、入口より「ただいま〜」という声が聞こえてきた。

「可奈美ちゃん、遅れてごめんね〜。ちょっとフルールに行ってたから遅くなっちゃった」
「だから言ったじゃないですか。どうしてシフトが入っている日まで寄り道するんですか」
「いいじゃん。ちょっとシャロちゃんとお話ししたかったんだもん」
「シャロさんだって今日は仕事ですよ? 全く。千夜さんも一緒に悪ノリしますし」

 ココアとチノ。二人の姿を見て、可奈美は手招きした。

「二人とも。こっちこっち」
「どうしたの可奈美ちゃん?」
「お客さんですか?」

 そして、可奈美のもとに来た二人は、腰かけているリゼの姿に固まった。

「よ」

 気さくなな挨拶をするリゼ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ