第六百二話 梅干しの魔力その六
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「喉の渇きは癒せるよ」
「そうよね」
「そうしたことも出来るから」
だからだというのだ。
「いいんだよ」
「そういうことね」
「そう、小石よりもね」
「梅干しの種ね」
「その方がいいよ」
トムはジャッキーにも話した。
「むしろね」
「そうなのね」
「ちなみに織田信長さんも毎食食べていたよ」
日本の歴史きっての有名人でありこの時代の連合では連合全体において広く知られている人物である。
「まずは梅干しを食べてね」
「それからか」
「他のものを食べていたんだ」
「そうだったのか」
「それで食べて」
その梅干しをだ。
「左手の平にぷっと種を吹き出して」
「そうしてか」
「食べはずめたんだ」
「種を左手に吹き出すのは何かあるのか」
「これは癖じゃないかな」
トムもこのことは知らなかった。
「ただのね」
「それに過ぎないか」
「うん、別にね」
これといってというのだ。
「意味はないと思うよ」
「そうなんだな」
「こちらはね、あの人他に焼き味噌も好きだったけれど」
味噌に刻んだ葱と生姜を入れて板に塗って焼いたものである。
「梅干しもね」
「好きだったか」
「この二つは毎食食べていたそうだよ」
「酒に合うな」
梅干しと焼き味噌と聞いてだ、テンボは言った。
「それだと」
「けれどお酒は飲まなかったから」
「そうだったのか」
テンボはこのことは知らなかった、織田信長は知っていても。
「飲みそうだがな」
「逸話だとそんな感じだけれどね」
「いつも浴びる様に飲んでな」
「酒乱のイメージがあるけれど」
そうした信長像はこの時代にも存在している。
「実はお酒は飲まなかったんだ」
「そうしたものが好きでもか」
「甘党でね」
このことは歴史に残っている、その為晩年の彼は糖尿病になっていたという説まで存在している程だ。
「お酒はね」
「駄目だったか」
「塩辛いものは好きでも」
それでもだったというのだ。
「その実はね」
「梅干しや焼き味噌で飲まなかったか」
「そうだったんだ」
「成程な」
「まあカナダだとね」
トムは自分の国の話もした。
「もうお酒はね」
「飲むお国柄とね」
ジャッキーがここで言った。
「そうよね」
「うん、寒い地域も多いしね」
「そのこともあって」
「強いお酒も飲むし」
この時代のカナダは蒸留酒をよく飲むお国柄である。
「それにアイスワインもね」
「確かカナダ名物の」
「それもよく飲むよ、ビールもね」
この酒もというのだ。
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