第六百二話 梅干しの魔力その五
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「メニューでもね」
「日本風の居酒屋にあってもな」
「それでもね」
「あまり注目されないな」
「そうだな」
「どうしてもね」
「うん、お漬けものってはっきり言えばどの国でもあるから」
そうした食べものはというのだ。
「キムチなりザーサイなりピクルスなりね」
「もうあり過ぎて」
「特に注目されないな」
「日本風のお漬けものはこうだってだけで」
「これといってな」
「それで梅干しもだけれど」
それでもというのだ。
「ちゃんと宣伝したらね」
「注目されてか」
「人気が出るのね」
「そうなると思うよ、お酒にも合うし」
この場合は日本酒である。
「いけるよ」
「そうなのね、本当に日本料理は連合ではメジャーで」
ジャッキーはその漬けもの、白菜のそれを食べつつ話した。
「色々食べられているけれど」
「それでもね」
「梅干しそしてお漬けものは注目されていないけれど」
「それを宣伝したら」
「そしてそれが成功したら」
「それでね」
「人気が出るか」
「うん、お握りは人気だしね」
これ自体はというのだ。
「きっとそうなるよ」
「そうか」
「僕はそう思うよ、この酸っぱさが」
今トムはその梅干しを食べている、そしてその強烈な酸味を感じながらそのうえで二人に対して話した。
「いいからね」
「人気が出るか、連合中で」
「そうなると思うよ」
テンボに種を舐めながら笑顔で答えた。
「疲労回復にもなるしね」
「そういえば食うと元気になれるな」
「そうだよね」
「ああ、食欲も出てな」
ただ疲れが取れるだけでなくというのだ。
「そうもなるしな」
「だからいいんだよね」
「そういうことか」
「うん、それに種を舐めていると」
実際に舐めている。
「唾液も出るしね」
「そのこともいいのか?」
「いいよ、よくサバイバルで喉が渇いた時に小石を拾って舐めるね」
「舐めて唾液を出してだな」
「水分がない時に喉の渇きを癒しているけれど」
唾液を出してである、これは喉の渇きを確かに癒すが水分補給という点では根本的な解決にはならない。
「梅干しの種でもね」
「出来るな」
「しかも小石みたいに誰かが踏んだとかないから」
「奇麗だな」
「余計にいいよ」
「だったら」
ジャッキーはその話を聞いて言った。
「お弁当に梅干し入れておいて」
「そう、種は置いておいてね」
「いざっていう時取り出して舐めればいいわね」
「そうだよ、そうしたらね」
それでというのだ。
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