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レーヴァティン
第百九十二話 港を見てその一

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                第百九十二話  港を見て
 英雄は今は堺にいた、堺は東の浮島の交易の中心だけでなく西の浮島との交易を行っている。多くの船達を見て英雄は周りに言った。
「領内の交易も盛んだな」
「そして西の浮島とも」
「そして東国ともです」
「共に盛んですね」
「日増しにその勢いも増えています」
「そうだな、いいことだ」
 英雄は確かな声で答えた。
「交易が盛んになるとだ」
「情報も自然に入ります」
「相手のことが」
「そして商いも活性化し」
「実にいいですね」
「それを行っていくことはだ」
 このことはというのだ。
「これからもだ」
「幕府の政として行っていきますね」
「そうしていきますね」
「これからも」
「そして国を豊かにしますね」
「そうする、それで西の浮島だが」
 英雄はこの島のことも話した。
「大きさや人口はこちらと変わらないな」
「はい、おおよそですが」
「然程変わりません」
「この浮島は太平洋上空にあり」
「そしてあちらの浮島は地中海上空にありますが」
「大きさや人口はあまり変わらないです」
 周りも英雄に話した。
「大きさはあちらの方が若干上で」
「人口はこちらでしょうか」
「ですが然程です」
「それは変わりません」
「そうだな、そしてそれぞれの浮島の正式な名だが」 
 英雄はこちらの話もした。
「この浮島はムーでだ」
「西の浮島はアトランティスです」
「そういいます」
「それぞれ今この世界で二つだけがあります」
「この世界において」
「そうだな、ムーとアトランティスか」
 英雄は鋭い目になって述べた。
「面白いな」
「面白いですか」
「この島の名前が」
「そう言われますか」
「上様としては」
「俺の世界ではどちらの島も伝説だ」
 存在していたかどうかわからないというのだ、古来よりその遺跡を探している者は多いが確かなものはまだ見付かっていない。
「だがそれでもだ」
「伝説でもですか」
「この世界では存在している」
「そのことが面白い」
「そう言われますか」
「そうだ、そして人口や大きさがあまり変わらないとはな」
 その二つの浮島がというのだ。
「これまた面白いな」
「左様ですね」
「それぞれの形は違いますが」
「それでも」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「この浮島は下の世界の日本とほぼ同じ形だな」
「はい、陸地は」
「地名もそれにちなんでいます」
「そして西の浮島は欧州です」
「あちらも地名はそれにちなんでいます」
「そうなっています」
「それも面白いな、ただの偶然の一致だが」
 それでもというのだ。
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