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Fate/imMoral foreignerS
始まりから夏休みまで
神父は決まって悪いやつって話
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れてしまった。

「ってぇ…!」
「まったくいけないね。最近の若者は手が早くてダメだ。もう少し大人しくなることをオススメするよ。」
「あなたは…!」
「ああ、さっきの。」

手をパンパンとはらう神父。
間違いない。この人だ。
まさかこの神父が…教会の…?

「自己紹介が遅れたね。私はナイ神父。この教会で神父をやらせてもらっているただのしがない人間さ。」
「…。」

と、ニコニコしながら僕に手を差し伸べてきた。
握手のつもりだろうが、お栄ちゃんの言っていたその張り付くような笑顔がどこか嫌悪感を感じさせる。
嫌な人では無いのだろうけど…この人はどこか変だ。

「…っ!」
「おや、大丈夫かい?」

彼と目が合うと、より一層腕が強く痛む。
思わずかがんでしまうと、神父は僕を心配し優しく肩を叩いた。

「大丈夫。私と会って暴れてるみたいだ。うん。それに中々抵抗するものだから取り憑くのに手こずってるみたいだね。少し大人しくさせて"入りやすくしてあげよう"。」
「今…なんて?」

痛くて話が聞ける状態じゃない。
だけどこの神父はなんて言った?
取り憑くのに手こずってる?入りやすくする?
何を言ってるのか全然分からない。

「…。」
「あっ、が…あぁぁ!!!」

そうしていると神父は怪我をした僕の右腕をスっと撫でた。
すると今まで以上の痛みが襲い、僕は思わず倒れ、じたばたともがき苦しむ。

「おい!葛城!!」
「お前…彼に何をした!?」

友作くんが僕を押さえ、必死に呼びかける。
そしてキルケーは神父に怒鳴り、巴御前は思わず身構える。

「人聞きの悪いなぁ。何をしたって、良くないものが憑いてたからね。悪魔祓いとして祓ってあげただけだよ。」
「祓う…だって?」

だとしたら、それは本当なんだろう。
だって。

「葛城…?」
「なんとも…ない?」

痛みは、消え去ったから。

「あんなに痛かったのに…どうして?」
「辛かったろう。悪魔が君の右腕を引きちぎらんとずっと憑いてたからね。でも、これでもう安心さ。」

そういい神父は僕の肩をトントンと優しく叩き、ニッコリと笑顔を向ける。

「さて、君達はここにお祈りをしに来たのかな?ならもう日が暮れる。早く済ませて帰りなさい。」
「え、ああ、はい…。」

優しい人なのかもしれない。
いい人なのかもしれない。
それでも僕は、僕達は…

彼に得体の知れない何かを感じざるを得なかった。


?


「あんの野郎…!次会ったらただじゃおかねぇ…!」
「もういいよお栄ちゃん。あの人はただの神父みたいだったし」

それから僕達は何かから逃げるようにしてそそくさとあの教会を出てきた。
今は商店街を歩
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