始まりから夏休みまで
神父は決まって悪いやつって話
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グッとおさえ、痛みと戦いながら僕は皆の後をなんとかついていく。
そうして歩き続けること10分。
お目当ての教会はそこにあった。
「見た目は何の変哲もない。だが…。」
「なんか…やばくね?」
2人は、何かを感じている。
「…高校生にもなって言うのも恥ずかしいが…正直俺はこの教会が"怖い"。」
「別に恥ずかしい事じゃないと思う。現に俺も震えが止まらなくってさ。」
その2人のサーヴァント、キルケーや巴御前もだ。
「おかしいな…身体が警告しているような気がする。ここからは一歩も進むなと、ここに立ち入ってはならないとね。」
「ですが、行かなければ。行ってこの気配の正体を突き止めなければ…!」
彼らは、一歩も踏み出せないでいた。
何かを感じとり、身体が本能的にそれを拒絶し、動かない。
それほどに恐ろしい何かがこの教会の中にあるのだろうか?
だけど、
「…!?」
「中に入らないのかい?」
僕、そしてお栄ちゃんはなんの問題もなく進めた。
なんならお栄ちゃんはスタスタと歩き、入口のドアノブに手をかけている。
僕も腕の痛みが強くなるが、それ以外は問題なく進めた。
「ま、待て北斎!」
「よっ、と。」
キルケーが止めに入るも、お栄ちゃんはそのまま取っ手を引き、ついにその教会の扉が開かれた。
「…?」
どんなものがあるのか、
何が待っているのか。
そういった想像をしていた僕らだったけど、その中にあったのは何の変哲もない、ただの寂れた教会だった。
「これは…。」
僕とお栄ちゃんが入り、続けて友作くん達も中へと入っていく。
薄暗く、埃っぽい気がする。
長い間掃除をしていないのか、天井を見上げるといくつもの蜘蛛の巣が張られていた。
左右に等間隔に並べられた長椅子には、何人かの人が座り両手を組んで祈りを捧げている。
そう、
ここはただ単に、町外れにある教会であった。
「何にも…ないみたいだな。」
「おや、学生さんかな?」
辺りを見回す友作くん。
だがそんな時、ついさっき聞いたような声が静かな教会に響いた。
「…!!」
「熱心だね。若いのにこうして祈りを捧げ来るのはいい事だ。にしても…おや?」
前からそこにいた、とでも言わんばかりに現れたその男は僕らと目が合う。
そうだ…この男…!
「てんめぇ!さっきはよくもマイを好き勝手言ってくれやがったナ!!」
あの時会った、神父!?
「お栄ちゃん待って!!」
あの神父だと気付くとお栄ちゃんは足早に歩き出し、神父へと近付く。
腕をまくり、拳をぐっと握りしめて殴りかかろうとしたが
「なっ…!!」
その拳は受け流され、さらにお栄ちゃんは投げ飛ばされ背中を床に叩きつけら
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