始まりから夏休みまで
神父は決まって悪いやつって話
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「なんでい。さあばんとじゃないなら別にいいだろ。」
サーヴァント絡みではない。
そう分かるとお栄ちゃんはため息をついてキルケーにそう答えるが
「逆だよ北斎。サーヴァントじゃないから不安なんだ。遠くからでも感じられた魔力の気配。でもそれはサーヴァントのものとは根本的に違うし量も桁違い。気配も嫌悪感や悪寒。そういったおぞましさを感じられるんだ。」
キルケーの説明した教会から漂う何か。
それは僕達にはよく分からないが、サーヴァントには感じ取れるらしい。
「ええ、そうですね。この辺りに来ると巴もそれを感じておりました。」
巴御前がそうだったからだ。
「巴さん、何か感じるの?」
「確かとは言えません。ですが、明らかにおかしいものを感じるのです。なんと言えばよろしいのでしょう?例えるなら…"狂気"とでも言いましょうか…。」
「狂気…か。」
歩きながら話を続ける一同。
サーヴァント達はその"何か"を感じ取るが、友作くんや暮馬くんもまた、
「確かになんか…寒いな。」
「俺もだ。なんて言うの?嫌な予感?みたいなのがする。」
例えがたい何かを感じ取っていた。
しかしお栄ちゃんは
「…。」
「北斎、何か感じないのかい?」
「いや、なーんにも。」
近づく事に強くなる何か。
お栄ちゃんはそれを少しも感じないのだった。
だけど、マスターである僕は
「…っ。」
「マイ?」
分からない。
寒気とか、おぞましさとか、みんなが感じてるものはお栄ちゃんと同様感じ取れないのだけれど、
痛みが、右腕の痛みがどんどん増していってる気がする。
「どうしたマイ!腕が痛むのかい!?」
「だ、大丈夫。大丈夫だから…。」
うぞうぞと何かが肌の内側で蠢くような感触。
今にも肌を突き破りそうな、内側から貫くような痛み。
鋭い痛み、鈍い痛み、色んな痛みが僕の右腕を蝕んでいる。
これはなんだ?タダの怪我なんかじゃない。
やっぱりロボの呪い?でもキルケーは何の異常もないって言ってたし…。
「マイ!しっかりしろ!おい!」
「大丈夫か葛城!」
汗もでてきた。
さすがにやばい僕の様子を見て友作くんも声をかけてきた。
「ううん…大丈夫。それよりも早く、教会の調査を終わらせよう。」
「そうだが…ほんとに大丈夫なのか?」
とりあえず大丈夫であることを伝えたけど、それでも心配した友作くんはキルケーに頼み、痛み止めの魔術をかけてもらった。
けど、ほんの気休めにしかならない。
まだ僕の腕は痛むし、何なら勝手に動き出そうとしている。
最近は動かなくなり、感覚も感じなくなり魔力供給の際も左手に頼りきりだったんだけど、まるで右腕は誰かに操られてるみたいに動こうとしている。
片手で
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