始まりから夏休みまで
神父は決まって悪いやつって話
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なんて…。
僕は越してきて半年ちょっとだけれど、
昔からこの町に住んでいる暮馬くんも教会に関してはまるで知らなかったらしい。
「キルケーが調べて分かったんだがな。妙な教会があるらしい。」
「妙ってなんだよ。」
「ただならぬ気配を、感じるんだとさ。」
「…?」
腕を組み、深刻そうな顔をしながらそう言う友作くん。
キャスターのキルケーがそう言ってるんだし、確かめる必要があるのかもしれない。
それに
「もしかしたら…。」
「ああ、桐生の件もある。サーヴァント絡みの可能性も充分あるってコトだ。」
また桐生の時のようにサーヴァントによるものかもしれない。
ことが大きくなる前に、僕らで何とかする必要がありそうだ。
?
それから
「自然公園に集合、か。」
授業が終わり、僕らはそそくさと下校する。
友作くんの指示で、学校が終わり次第自然公園に集合するように言われた。
勿論、サーヴァントを連れてだ。
三十分以内には集合できるようにと言われたので、僕はなるべく早足で自宅へと向かっているのだが
「!」
急いでいたせいか、ちょうど曲がり角から出てきた人とぶつかってしまった。
「いったぁ…。」
非力な僕は転び尻もちをついてしまうのだけれど
「大丈夫かい?キミ。」
僕がぶつかってしまった人はにこやかな笑顔を浮かべてこちらに手を差し伸べてきた。
「あ、あの…すいません…。」
「いいよ。それよりも怪我はないかい?」
そういい男は僕の腕を引っ張り、起こしてくれた。
その男はとても背が高くて、浅黒い肌の男。
真っ黒な服に首にかけられた白いストールが目立つ。
彼は…神父?
「いえ、だ、大丈夫です。」
対人慣れしていない僕は知らない人と話すのにも一苦労する。
笑顔でコミュニケーションを取ってこようとする彼に対して僕は一種の嫌悪感みたいなものを覚え、適当に言葉を返してそそくさと帰ろうとした。
が、
「待ちたまえ、キミ。」
呼び止められた。
「な、なんですか?」
「その手、大丈夫かい?怪我に響いてなければいいが…そうだ!良ければ見せて貰えないだろうか。」
さらに右腕の心配をし始め、挙句の果てには見せろと言い出す。
「だ、大丈夫です!僕はいたって元気ですから!」
「安心したまえ。私はこう見えて医療の勉強をしていたからね…
キミの、お兄さんみたいに。」
「…!?」
…
今、
彼はなんて言った?
「あの…どうして…僕の家族の事を…?」
「おーっとゴメンゴメン!軽いジョークのつもりだったんだけれどもしかしてホントの事だったとは!すまない。」
そういい、神父は笑って誤魔化した後僕を引き寄せ包帯
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