寄り添う君への贈り物(月読調誕生祭2021)
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「うーん……」
2月15日。調の誕生日前日。
切歌から兄を通し、調の誕生日を聞いた流星は、ある店の前で悩んでいた。
「調ちゃんが喜びそうなもの……何だろうか?」
高価すぎるとかえって彼女に気を使う。かといって、安価なものを渡すなど自分のプライドが許さない。
それをふまえた上で、更に思考を重ねる。
目を瞑る流星。脳裏に映るのは、月読調という名前さえ知らなかった頃の事だった。
(初めての出会いは、夢の中だったっけ……。不思議な体験だったなぁ……確か、月明かりに照らされた姿が綺麗だったっけ……月……ッ!)
目を開いた流星は、それらしきものがないかと探し始める。
「あれば良いけど……あった!」
探していたものはすぐに見つかった。
それを手に取り、流星はそのままレジへ向かった。
「喜んでくれれば良いけど」
会計を済ませ店を後にする流星の足取りはどこか軽かった。
ff
「調!お誕生日おめでとうデス!」
親友の切歌の言葉を皮切りに、それぞれが調にプレゼントを渡していく。
「ハッピーバースデー調」
「調、おめでとう」
「月読さん、おめでとうございます!」
まずはマリア、ツェルト、セレナからのプレゼント。
「これはわたしと翔くんからのプレゼントだよ」
「そんで、コイツはあたしと純くんからだ」
かつては対立していた響達も、今では共に戦う仲間として調を祝福する。
「みんな……ありがとう」
普段はあまり表情を変えない調も照れ笑いを見せ、周りの空気は和やかになる。
そして、遂に流星の番になった。
「調ちゃん……実は僕からもプレゼントがあるんだ」
「え?」
「はい……お誕生日おめでとう。調ちゃん」
渡されたのは、綺麗にラッピングされた細長い箱であった。
「開けてもいいですか?」
「いいよ」
「……これは……」
箱を開けると、そこには月と兎のチャームがついたネックレスであった。
「流星さん……これ、つけてくれませんか?」
「ッ……勿論さ。ほら、貸してみて」
調は後ろを向き、流星は彼女の首にネックレスを巻いた。
「どうですか?」
「うん、とっても似合ってるよ。調ちゃんが一段と綺麗になった」
「流星さん……」
し
2人の周囲の空気は甘くなっていく。
皆はその光景を、微笑ましく見守った。
「ふふ、微笑ましいものだな」
「だーかーら、そう言うのは家で……」
「まぁまぁ、見てて悪くないと思うけどなぁ」
「そういう問題か?」
うんうんと頷く翼に、ニマニマと微笑む響。
クリスはもはやお約束となった、お決まりのツッコミを入れる。
「ヒューッ!アイツやるなぁ」
「そうね。ここまで
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