最高の陽だまり《呪い》
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未来を除いて黒一色となる。
「な、何……?」
『ワレワレガ……ワガシュゾクガホロビタノハ……』
ぼう、とあたかも灯が点火するような音とともに、それは響の前に現れた。
黄色の炎。だが、その頭頂部には、まるで剣士が剣を掲げているようにも見える形をしており、徐々に大きくなり、黒一色の世界を埋め尽くそうとしていた。
『ナニカノ……』
その声は、頭に重く響いてきた。脳を直接揺さぶられるような声に、響は悲鳴を上げた。
『マチガイダ……!』
「うっ……が……」
黄色の炎が、響に吸い込まれていく。
すると、どんどんガングニールが変化していく。白と黄色の装甲は、雷を浴びて白銀となっていく。
「があああああああああ!」
それは、ほんの刹那の出来事。
響の腕から伸びた雷の刃が、未来の姿を両断。風景と同じように、ガラス破片として砕けていった。
「お前はまた、未来を切り捨てる」
それは、消えかかる未来の言葉。
半分意識を失いそうになりながら、響は大きく首を振った。
「違う……私は……!」
「お前には何も、誰も救えない。お前のその呪われた拳は、ただ食らい、ただ壊すだけの拳だ……!」
「私は、人と人を繋ぐ……ただ、それだけ……」
「お前は誰も繋げられない。お前には、壊すことしかできぬ!」
小日向未来は、歪めた顔で、それだけを言い切った。
やがて未来も消滅し、響はただ一人、暗闇だけの世界に取り残されたのだった。
「未来うううううッ!」
飛び起きた。
響の鼻をくすぐる木の匂い。見慣れない天井と壁は全て木製であり、古風な空間を醸し出していた。
「どこ? ここ……」
「あ、目が覚めた?」
そう言ってくるのは、松菜ハルト。響がいつの間にか寝ているベットの隣で座っており、スマホから顔を上げて響を見ていた。
「あれ? ここ、どこ?」
響は頭を抱えながら尋ねる。
ハルトは「まだ起きない方がいいんじゃない?」と前置きをして答えた。
「ラビットハウス。ほら、以前コウスケと一緒に来たことあるでしょ?」
そういわれて、響は部屋を見渡す。窓から見える風景は、見滝原の木組みの町と呼ばれる通りのもので、確かに見覚えがあるところだった。
「うん。そうだけど……そうじゃなくて、どうして私ここで寝てるの?」
「そりゃ、響ちゃんあのまま倒れちゃったし。コウスケのもとに送ろうにもどこにいるか分からないし。とりあえず介抱できるラビットハウスに連れてきた。可奈美ちゃんもここにいるしね」
「そっか。私、あれから倒れちゃったんだ」
響は、首にかかっている宝石を見下ろした。赤い縦長のそれが、響
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