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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
踏み込んだあたしは、窮地に陥る
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やべーぞこの暴力女!

「…。」
「な、な!?欲しいだろ!?優勝賞品!!」
「まずは止めて。」
「…え?」
「尾頭さんや紫式部を襲ってるモンスター達を止めてって言ってんの。」
「あ、は、はい…!」

ビクビク震え、怯えたフリをしながら俺は慌ててデスクに向かい、キーボードを叩き始める。

「これでよし、と。」

エンターキーを叩き、俺は言う通りにした"つもり"にする。
ホントに止めるわけねぇだろバーカ。
それに今押したのだって

「!?」

モンスターの檻を解錠するスイッチだから。

「イリヤちゃん!!」
「葵さん!これって…!」
「あばよクソ女共!こんなもんで俺が配信やめると思ったかバーカ!」

檻が開かれ、ぞろぞろとやって来たのはとっておきのモンスター、『土蜘蛛』だ。
その鋭利な鎌と全てを絡めとる糸、中々の強敵だしあの陰陽師のお墨付きだ。
さて、俺は俺で緊急避難用のワイヤーにぶら下がり、安全な所へと避難する。

『どうやら私達ハメられてみたいですねぇ。』
「落ち着いてないで何とかしてよルビー!!」
「こいつら…小鬼みたいに一筋縄じゃ行かなさそうだけど…!」

素早い動きで複数の土蜘蛛は二人を囲み、逃げ場を無くす。
さて、上にある実況席から俺は配信を続けさせてもらおう。

「さぁて!優勝賞品は次なるステージの挑戦権!VS土蜘蛛だ!!鬼ほどのパワーはないにしろその俊敏さと狡猾なやり口!奴らの猛攻から逃れ、倒せる術は彼女らにはあるのかーッ!?」
「うるさいな…!」

悪態をつくがその威勢がどこまで持つことやら。
殺しはしない。だが動けなくなるくらいに手加減はしろ。
土蜘蛛達にはそう指示してある。
まったく感謝感謝だぜ。
妙な格好をした自称陰陽師からもらったこの御札があれば、どんなバケモンでも簡単に俺の言うことを聞く。
まぁ人類を幸福にするためなら何に使ってもいいって訳分からんこと言われたけど、こうしてエンターテイナーとしてこの御札は役立たせてもらおう!!

「さぁ殺しあえ!最後に笑うのは誰だ!?レディー…ファイッ! 」
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