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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
踏み込んだあたしは、窮地に陥る
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と沈黙の気まずい空気でしたしここは私が話題を提供しようかと思いまして…。』
「だからって変な事聞かないで!!葵さんズッコケちゃったでしょ!!」
「ううん、大丈夫大丈夫。」
危うく階段から足を踏み外しそうになったけど。
「じゃあいいよ。喋らないのもアレだし折角だから話すよ。」
『お、いいですねぇ!これから葵さんのめくるめく百合色学園生活のキマシタワエピソードが聞けるってわけですねぇ!』
「いやそれは話さないけど。」
『え』
第一学生の頃は普通だったし。
とはいえ、心に欲望は溜め込んでいたけど。
「でも葵さん、その…同性愛って事は」
「ああ、カミングアウトしたのは最近だけどね。親に言ったら相当嫌な顔されたよ。心の病だって。」
「…。」
「でもそんなの知るかって感じ。こうなった世界で縛られて生きるよりも、あたしはあたしらしく生きようって思った。それに…。」
『それに?』
「紫式部がいる。あの人はあたしの全部を受け入れてくれた。隠されてた部分も、醜い部分も、それも全部をあたしだからって。」
あたしの為だけに来てくれた、あたしだけの紫式部。
あたしの全部を肯定して、受け入れた何にも変えられない大切な人。
「ねぇ、イリヤちゃん。」
「は、はい!」
「イリヤちゃんには何にも変えられない、大切な人はいる?」
「何にも変えられない…大切な人…。」
「マスター?それ以外?でも、それが誰だとしても大切な人に変わりはないよ。」
「うん、います…私の大切な人…私の大事な友達…。」
「…そっか。」
こうなってしまった世界。
大事なのはその"人"だ。
自分の全部をあずけられて、そしてその人を信じられる信頼。
「じゃあ、その人の事を必死に守ろうね。あたしもそう思って、全力で紫式部を守ってる…ってなんかあたしの方が話がズレちゃったね、ごめん。」
『いえいえ、大変尊きものを聞かせていただきました。イリヤさんも大事なお友達の美遊さんと仲良くしていきましょうね。そう…葵さんと紫式部のように百合百合しいカップルのごとく…』
「だからなんですぐそういうのに繋げたがるのかなぁ!!折角葵さんがいい感じにまとめてくれたんだよ!?」
緊迫した空気がなんだか程よく緩んできた。
イリヤちゃんはなんかこの以来の時からこわばってたし、このマジカルルビーという摩訶不思議ステッキ、案外良い意味でその場の空気をぶち壊してくれるいい存在なのかもしれない。
「…!」
で、その時だ。
ふと何か声のようなものが聞こえた。
「葵さん?」
「しっ!多分ヤツがいる…!」
人差し指を唇に当て、静かにのジェスチャーをとる。
目を凝らせば、もう少し下に明かりが見える。
そして
「おーいいねぇいいねぇ!容赦な
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