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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
踏み込んだあたしは、窮地に陥る
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面にヘッドスライディングした。

「…大丈夫?」
「はい、葵さん。ありがとうございます…。」

なんとか爆発に巻き込まれずに済んだ。
だが

「葵様!!ご無事ですか!?」
「イリヤはそっちか?状況はどうだ?」

爆発により壁が倒壊。
高く積もった瓦礫の山は私と香子、尾頭さん達を分断してしまった。

「あたしもイリヤちゃんも無事!そっちは!?」
「問題ありません…ですが…!」

あちらもどうやら怪我人はいないみたいだ。
けど、分断されたままではどうにもできない。
まずは何とかして合流しなければ…。

「あ、葵さん!!」
「どうし…」

どうしたの?
そう聞こうと振り返った瞬間、イリヤちゃんの指さした先には大量の小鬼が。

「紫式部…ごめん、前言撤回。」

舌なめずりをし、じりじりとあたしたち2人に近付く小鬼。

「ちょっとヤバいかも!!」

女二人なら楽勝だ。
何人もの女性を狩ってきた小鬼はそう思ったのだろう。
ニヤリと口を三日月形に歪め、それぞれが一斉に襲い掛かる。

「このッ!!」

飛びかかってきた一匹の小鬼に回し蹴りをおみまいし迎撃。
しかし相手は魔物。
人間であるあたしの攻撃が通用するだろうか?

「…え?」

いや、通じた。
回し蹴りをくらった小鬼は地面に落ちると、じたばたと暴れ始める。
まるで殺虫剤をかけられたゴキブリのようにだ。
そして呻き声のようなものをあげ、より一層暴れたかと思えば…

「え…。」

パァンという気持ちのいい音を立て、"破裂した"

「え…あ、葵さん?」
「なにこれあたしも分かんないって。え、怖…。」

いけない…。
イリヤちゃんが本気で怯えてる…。

「あ、当たりどころが悪かったとか?」
「え、えーと…クリティカルヒットみたいな…?」
『いえ、そのようなものでは御座いません。』

小鬼が何故あたしの蹴り一発で爆発四散したか、
その疑問は、どこからか聞こえた声が答えてくれた。

「この声…紫式部?」
『どうやら無事に効果を発揮されたようですね。いかがだったでしょうか?魔性特攻のついたブーツの履き心地は。』

どこからともなく聞こえる香子の声。
彼女は瓦礫の向こう側に居るはずなのだが、何故かとても近く…そう、まるで耳元で話しかけられているようなてん…。

「あ、葵さん!もしかしてソレじゃないですか!?」
「…これ?」

イリヤちゃんが左耳に付けられたイヤリングを指差す。
確かに、香子の声はそこから聞こえていた。

『緊急用の連絡手段として葵様のイヤリングに細工をさせていただきました。』
「ああ、それはどうも。」
『話を戻します。葵様の履いているブーツにも実は細工を…い
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