第十二話―絶望の咆哮
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」
九尾の力が覚醒した金角から放たれた衝撃波は,彼らのもとにまで届いた。そのあまりの衝撃に,吸い込む風で角都を拘束しかつ火遁の道筋を作っていたサイゾウの獏が一瞬怯む。同時に,術を放ったサスケとサイゾウの手元がほんのわずかに狂い,放たれた術そのものも衝撃波の影響を受けたことが相まって,炎は角都のいる位置からわずかに逸れた。
「何だ,今の衝撃は……!?金銀兄弟が居た方向じゃないか……!?」
「くっ……だが,それよりも……」
サスケが驚いて衝撃波を感じた方を見る一方,サイゾウは険しい表情で正面にいる敵を見る。
「何だ,今のは……だがおかげで……」
一瞬怯んだ獏のスキをつき,角都は自らを拘束していた風から脱出していた。
「……助かったな。」
そして,振り返ってサスケとサイゾウの二人を見据えた。
「まずい!獏……」
「もう同じ手は食らわん!」
ドカッ!!
サイゾウの言葉より早く,角都はまず前方にいたサイゾウの口寄せゾウを攻撃する。
「ヴオオォッ!!」
「獏っ!」
角都の拳を受けた獏は悲鳴を上げ,そのまま口寄せが解除されてしまい煙となって消えた。
「次はお前らだ!」
ダッ!
角都は更に続けてサスケとサイゾウに向かって突っ込む。サスケは再び猿魔の棍棒を構えようとするが間に合わず,二人ともども角都の蹴りを食らって飛ばされてしまった。
「ぐあっ!」
「ぐわっ!」
「フン,動きが鈍いな。さっきの術でチャクラを使い果たしたか。確かに,当たっていれば俺も無事ではなかっただろうな。」
倒れ込んだ二人のもとへ角都が足を踏み出そうとしたとき,近くにあった建物が突然大きな音を立てて崩れた。
「……何だ?またさっきの衝撃か?」
「!?」
そちらへ目をやると,倒壊したその建物の向こうに赤黒い化け物の姿があった。
「何だアイツは……!?まさか,金角か銀角なのか!?」
角都が驚いているうちに辛うじて立ち上がったサスケとサイゾウの二人も,それを見て驚愕する。
「あれは九尾か……!?まさかミト様ではあるまいし……。」
「あっちに居たのは扉間様,それに金銀兄弟だ……扉間様が言ってた,奴らの隠してる力ってのはこれのことか!?」
木ノ葉の里に住み,少しばかり知識のあった二人はその姿を見て九尾だと理解する。その点においては,さすがの角都も二人に追い付かない。しかしながら,得られる情報を分析する能力にかけては負けていなかった。角都はすぐに,その赤黒い化け物が片腕に抱えている人物を見つける。
「銀角か……意識がないようだな。金角のあの姿……銀角がやられ,錯乱状態にでも陥ったか。」
その場に,扉間も姿を現す。
「扉間様!
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