第101話『予選F』
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
恥ずかしくて穴に埋まりたい気分である。
「……あなたにここで脱落されるのは、本意ではないから」
「え、それって……?」
呟くような風香の言葉に晴登が聞き返すも、走ることに精一杯な彼女は答えなかった。
まだ出会ったばかりで、しかも敵チームなのに、彼女は晴登を助けようとしてくれている。それだけ、晴登の覚悟を買っているということだ。万年予選落ちの最年少チームが、何がなんでも本戦に進まんとするその覚悟を。
なら、これ以上無様な姿を晒す訳にはいかない。
「……あの、やっぱり下ろして──」
「喋らないで! 舌噛むよ!」
「は、はい!」
怒られた晴登は大人しく、激しく揺れる風香の腕の上で小動物の様に縮こまるのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ