暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第67話:始まりの騒動
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た彼女の心を鎮めた。

「……バカ」

 優しく自分を包む2人の優しさを、クリスは小さく悪態を吐きながらも頬を染めて受け止めた。これが響だけであればもっと素直ではないリアクションであったかもしれないが、透の存在が彼女にとっての緩衝材として機能したようだ。

「はい、はい……了解しました。迎え撃ちます」

 そうこうしていると、あおいが通信端末を胸ポケットに仕舞い拳銃を手に取った。その動作と今し方の言葉で3人は自分達の出番が来たことを悟り気を引き締める。

「うっし、出番だな!」
「行こう、2人とも!」

 気合を入れてクリスはギアペンダントを握り、透は左手中指にウィザードリングを嵌める。

「Balwisyall nescell gungnir tron」
「Killter Ichaival tron」
〈チェンジ、ナーウ〉

 光に包まれ、3人の姿が変わる。

 響はガングニール、クリスはイチイバルのシンフォギアを身に纏い、透もメイジに姿を変える。

 その透の変身したメイジだが、以前とは見た目が変化していた。仮面はウィザードと同様磨かれた宝石のように輝きを放ち、左手のスクラッチネイルと腰の後ろの尻尾上のパーツ・ドッジテイルが無くなっている。代わりに首には赤いマフラーが巻かれていた。
 これは今後ジェネシスのメイジと戦う事を考え、アルドが透のウィザードリングに手を加えてマイナーチェンジした結果である。こうすれば見知った者であれば一目で透とそれ以外のメイジの違いが分かる。

 これは飽く迄マイナーチェンジであり、外見以外に変化はない。寧ろスクラッチネイルなどが無くなった事で攻撃手段が減ったという見方も出来てしまうが、透は元々攻撃は魔法とカリヴァイオリン、ライドスクレイパーか蹴りしか戦闘で使わないので何も問題はない。

 3人の変身が完了すると同時に、またしてもフライトノイズが天井に突き刺さった。あと一歩間違っていたら命は無かった状況に、ウェル博士が驚きのあまり腰を抜かす。

 そのフライトノイズを早々に始末し、3人は天井を突き破り列車の屋根に飛び移った。
 すると周囲は既に無数のフライトノイズで埋め尽くされていた。

「群れスズメ共がうじゃうじゃと……」
「どんな敵がどれだけ来ようと、今日まで特訓してきたあのコンビネーションがあれば!」
「あれはまだ未完成だろ? 実戦でいきなりぶっこもうなんて、おかしな事考えてんじゃねえぞ」
「うん! とっておきたい、とっておきだもんね!」

 2人の会話に仮面の奥で微笑み、透はライドスクレイパーに跨り空へと飛翔した。この中で唯一単独で空を飛べる透は、我先にと迎撃の為に行動を開始したのだ。

〈アロー、ナーウ〉

 透は空中で縦横無尽に動き回
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