装者達のバレンタインデー(2021)
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?」
「なっ……なっ、何言ってるのよッ!?」
「わ、わたしは……やってもらいたい……です……」
「セレナッ!?……な、なら、私も……やるわッ!」
それは、とてもとても甘い時間。
ff
「よし!切ちゃんも出来たみたいだね」
キッチンで作業を終えた調は、切歌の方を見る。
「調のおかげで上手くいったデス!」
満面の笑みを浮かべる切歌に、調はにこやかな笑みを返した。
「でも……調みたいに凝ったものは作れなかったデスよ……」
調が作ったのはチョコレートケーキ。対して切歌は星型やハートの可愛らしいチョコであり、その差にため息を吐く。
「切ちゃん、大切なのは見た目じゃないよ。作った人の思いが大事」
「調……ありがとうデス……」
しかし、再び黙り込んでしまう切歌。調は首を傾げる。
「切ちゃん?」
「作ったのはいいデスが……アタシ1人で飛鳥さんに渡すのは、やっぱり恥ずかしいデス……」
恥じらう友人にクスッと微笑む。
「それなら、わたしと一緒に渡そう?それなら切ちゃんも渡せる」
「本当デスか?調、ありがとうデスッ!」
嬉しさのあまり、切歌は調に抱きついた。
「それじゃ、ラッピングしよっか」
「了解デースッ!」
翌日の放課後、切歌と調のマンションの前。
調と切歌に呼び出された兄弟は、玄関の前で2人の帰りを待っていた。
流星はため息を一つ吐くと、少しソワソワしている飛鳥に呆れたような声をかけた。
「兄さん、緊張しすぎ。切歌ちゃんからチョコ貰えるからって、舞い上がるのはわかるけどさ」
「べっ、別に緊張はしてない!これはただ、今日はいつもより寒いからで……」
「ふーん……あ、調ちゃんと切歌ちゃんだ」
「流星、僕がそんな単純な嘘に騙されると思ったら」
後ろを振り向くことなく応えようとする飛鳥。だが、背後から聞きなれた声が聞こえ振り返る。
「飛鳥さん!」
「きっ、切歌ッ!?」
「切ちゃん、そんなに走ったら転んじゃうよ?」
「やぁ、調ちゃん。おかえりなさい」
慌てて飛鳥に駆け寄る切歌と、それを追いかけてきた調。2人の手には、小さな紙袋が握られていた。
「飛鳥さん……その……ハッピーバレンタイン、デスッ!」
「流星さん。これ……日頃の感謝の気持ちです。受け取ってください」
「切歌……」
「ありがとう、調ちゃん♪」
受け取った2人は、袋の中に入った箱から中身を想像する。
どんなチョコが入っているのか。想像するだけで胸が高鳴るのを感じ、思わず口元が綻んだ。
「飛鳥さん!アタシの手作りチョコ、早く食べて欲しいデス!」
「えっ!?い、いや、それは……」
隣に弟が居るからか、少し躊躇う飛鳥。
それを見た流
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