第百九十一話 東国のことその十三
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「あそこを攻める」
「関東っちゃな」
「まずはな、駿河と甲斐そして越後からな」
三路からというのだ。
「一気に。二十万を越える兵でだ」
「攻めて」
「そして一気にな」
「攻め取るっちゃな」
「小田原も江戸もだ」
そうした城達もというのだ。
「全てだ」
「攻め取るっちゃな」
「そうする」
「今はその為の準備っちゃ」
「内政をしながらな、道もだ」
これもというのだ。
「整えていっているしな」
「九州の端からもっちゃな」
「すぐにだ」
兵やものを動かす時はというのだ。
「大軍を東国との国境にな」
「送られる様にするっちゃな」
「陸路にな」
「水路っちゃな」
「むしろ水路だな」
「船を使って」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「例えば薩摩からだ」
「駿河までっちゃな」
「大軍に大量の物資をな」
その両方をというのだ。
「送り込む」
「そして戦を行う」
「そうする」
「だから今船も多く造らせている」
幸正も言ってきた。
「水軍をな、船を使えばな」
「大軍は陸を行くよりだ」
「多くのものを速く運べる」
「だからだ」
「水路もだな」
「充実させてだ」
そしてというのだ。
「移動させるぞ」
「ではな」
幸正は英雄のその言葉に頷いた、そうした話をしてだった。
幕府は戦の用意を進めていった、今は内政を主にしているがそれと共にそちらもしていった。もう次の戦ははじまっていた。
第百九十一話 完
2020・12・23
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