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おぢばにおかえり
第六十二話 二人乗りその二十七

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「そうした人とは」
「嫌いな人とはお話しないのね」
「そうした主義なんですよ」
「それはおみち、特に教会ではそうよ」 
 阿波野君にまた教会のことをお話しました。
「やっぱりね」
「嫌いな人ともですか」
「そうした感情は隠してですね」
 人にはどうしても好き嫌いはあります、ですがそうした感情は消してそのうえでこう言ったのでした。
「そしてよ」
「お話しないと駄目ですか」
「そうよ」
 こうお話しました。
「それも人付き合いだしね」
「僕そこが駄目ですか」
「その人に対する好き嫌いの徹底さと」
 それとです。
「しかも嫌いな人を徹底的に否定することはね」
「駄目な癖性分なので」
「何とかしなさいね」
 なおす様に言いました。
「いいわね」
「難しくてもですね」
「何度も言うから」
「諦めないで」
「おみちはこうしたことは諦めないの」
 その人の悪いところ、癖性分をなおす為にはです。
「私阿波野君に何度も言うわよ」
「じゃあ僕も」
「なおす様になのね」
「先輩に応えたくなりました」
 それでというのです。
「ですから」
「私には応えなくていいの」
 このことは断りました。
「別に」
「そうですか」
「ええ、私には応えないで」
「それで、ですか」
「癖性分をなおしてくれたらね」 
 本当にこう思って阿波野君に言いました。
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