第一幕その三
[8]前話 [2]次話
「ちょっと見たら」
「ははは、そうだよね」
「日本だと墨汁ですね」
「アジアだからね」
「それでも普通に食べて」
そうしてというのです。
「楽しんでいますね」
「日本人はね」
「それも最初からですね」
「蛸も烏賊も普通に食べているからね」
それでというのです。
「ああしてだよ」
「普通に食べていますね」
「うん、最初は珍しがられたけれど」
それがというのです。
「今ではね」
「普通にですね」
「受け入れられて」
そうしてというのです。
「食べられているよ」
「そうなっていますね」
「ある漫画でインクをかけているのかと実際に言われていたけれど」
「日本でもですか」
「すぐに受け入れられてね」
そうしてというのです。
「お店でもあってスーパーでもね」
「ソースが売られていますね」
「そうなっているよ」
「そしてそれがまた美味しいですね」
「そうなんだよね」
「ただ蛸の墨は使ってないね」
ここでホワイティが言いました。
「お料理に」
「そうね、イカ墨はあってもね」
ダブダブも言いました。
「蛸墨はないわね」
「イカ墨はスパゲティだけでなくパエリアに使われていても」
それでもとです、ガブガブも言いました。
「本当に蛸はないね」
「こんなに蛸を食べても」
チーチーは首を傾げさせました。
「隅はないね」
「日本人って魚介類はそれこそ骨まで食べるのに」
トートーが言うことはといいますと。
「お吸いもののだしにしたり小魚だと骨まで本当に食べるよ」
「それなのに蛸の墨は食べないとか」
「そういえばおかしいわね」
チープサイドの家族も不思議に思うことでした。
「言われてみれば」
「不思議なことだね」
「毒はないわね」
ポリネシアは蛸の墨に毒があるとは聞いていません。
「そんなこと聞いたことないし」
「それだったらこんな普通に食べてないじゃないかな」
「そうなってるね」
オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「河豚みたいな扱いになってるよ」
「そうだったら」
「日本人は毒があるお魚とかも毒のある部分を取り除いて食べるのに」
ここで言ったのはジップでした。
「蛸でそんなお話聞いたことないね」
「もう蛸も食べないところないのに」
最後に老馬が言いました。
「墨だけなのかな」
「蛸の墨は量がかなり少ないんだ」
先生はいぶかしんだ動物の皆にお話しました。
「実はね」
「だからなんだ」
「蛸の墨は食べないんだ」
「食べられるだけの量が少なくて」
「そのせいで」
「そうだよ、烏賊の墨は量が多いけれど」
それでもというのです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ