126 杯の所持者の再訪
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んですか?」
「はい、ウチの次女です。そして私の三女がりえちゃんの杯やかよちゃんの杖と同じ最上位の能力を持つと言われる異世界の護符を持っています」
「そうだったんですか!?」
りえは思い出した。夏休みに会った高校生男子の従姉が異世界の護符を持っていると言った事、東京で東アジア反日武装戦線の人間と共闘した女性は彼女の妹が異世界の護符を持っていると言った事を。では、この女性は嘗て異世界の護符を持っていた人物である、とりえは解釈した。
「うん、今後一緒に戦う事になるかもしれんね」
「はい」
羽柴家に取り残されていた三河口と利治は退屈しのぎに碁を打っていた。
「それにしても俺達が異世界に行くとなると叔父さん一人でここに残す事になりますからどこか申し訳なく感じますね」
「まあ、仕方ないさ。今の俺にできる事は皆を応援する事だからね」
「はい・・・」
外で車のエンジンの音がした。おそらく奈美子が運転している車が戻って来たのだろう。
「どうやら戻って来たみたいですね」
しばらくして奈美子が家に入って来た。
「二人共、『杯の所有者』が来たよ」
「はい、今、参ります」
二人は隣の山田家へと向かった。
山田家に到着したりえ達は居間にてかよ子とある話をした。
「そう言えば清水で藤木君って子が行方不明になったって聞いたわ」
「うん、そうなんだ。実は私が野良犬に襲われそうになったところを見捨てて逃げちゃって、それでクラスの皆から卑怯呼ばわりされて落ち込んじゃったんだ」
「えっ、そうなのっ!?」
「それで皆から白い目で見られてもしかしたらそれが原因で異世界に行っちゃったのかもしれないって思うんだ」
「あの優しい藤木君が・・・」
りえは寄せ書きの色紙を思い出した。杉山の「絶対に夢、叶えろよ!」の言葉に気を取られていたが、藤木はそこに「この次は僕が守ります」と書いてあった。
「藤木君にも、ちょっと怖がりな所があったのね」
「うん・・・」
「藤木君も助けに行かないとね」
「う、うん・・・!!」
かよ子達にとっては藤木の奪還も必要不可欠であるのは事実だった。だが、かよ子以上に藤木がいなくなって心配しているのは笹山なのだが。
(あの事、言おうかな、どうしようかな・・・?)
かよ子は杉山の事を言おうかどうかそわそわしていた。その時、三河口と奈美子の主人が家に入って来た。
(ああ、おっちょこちょいしちゃったよ・・・)
かよ子は言うタイミングを失った。
山田家にはかよ子やりえとそれぞれの家族が集まっていた。
「あ、いつかのお兄さん」
「安藤りえちゃん、だったね」
りえは三河口を見て思い出した。
「はい」
「あれから色々大変だったろうね」
「はい」
「俺の従姉とその旦那が赤軍と手を
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