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おっちょこちょいのかよちゃん
126 杯の所持者の再訪
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 杉山は大野と喧嘩した事、そして自ら雷の石を捨てた事を思い出していた。
(俺だって本当はあんな事言いたくなかった・・・。なんで俺はこんなに最低な奴なんだ・・・)
 杉山は確かに石松から貰った石を赤軍や戦争主義の世界の人間に対してではなく、本来共闘すべき人間に対して使ってしまっていた。一度目は秘密基地を山口や川村達から取り返す為の戦いに使用し、二度目は安藤りえの持つ杯の能力(ちから)を試す為に彼女を挑発して使用し、さらに三度目は大野が転校するという事で喧嘩の道具として使ってしまった。
(俺達は離れてても最強コンビのはずなんだよな・・・!!)
 杉山は己を呪う。そして元の日常をぶち壊した赤軍や異世界の悪人諸共憎む。しかし「奴等」を倒せたとしても大野の転校は取り消せない。別のベクトルで元の日常が壊される事になった。
(今の俺には『道具』はねえ・・・)
 杉山は異世界からの手紙をもう一度読む。このどこの世界の字でもない字は杉山には読めた。そして躊躇う。今の自分が異世界に行って一体何ができるのか・・・。

 かよ子は両親と共に静岡駅を訪れていた。また隣のおばさんも同行していた。目的は異世界において最上位の能力(ちから)を持つ四つの道具の一つである杯を持つ者を出迎える為である。そして午後14時過ぎに新幹線列車が来た。
「あ、かよちゃん、久しぶりっ!」
「りえちゃん・・・!!久しぶりだね・・・!!」
 杖と杯、それぞれの所有者は再会を喜んだ。
「安藤さん、どうもあけましておめでとうございます」
「本年もよろしくお願いいたします、山田さん」
 お互いの親も挨拶する。
「こちら隣に住んでいる羽柴奈美子さんです」
 かよ子の母が紹介する。
「初めまして」
「はい、どうも宜しくお願い致します」
「隣のおばさんが、荷物とかを運んでくれるって」
「まあ、それはそれはありがとうございます」
 皆は駅を出た。そして安藤家は奈美子の車に乗せて貰った。
「じゃ、かよちゃん、また後でね」
「うん」
 奈美子の車に乗せて貰ったりえはかよ子と別れた。そしてかよ子達は家に戻る。かよ子はある事を考えていた。
(杉山君が喧嘩したって事、りえちゃんに相談したほうがいいのかな・・・?)
 夏休みにりえが杉山と会った時、二人は一見喧嘩ばかりしていたが、杉山はどこかでりえを気遣っているような行動が見えた。杉山もりえに少し気があるように見えたので、もしかしたら何か役に立てるかもしれないと感じた。

 りえ達は祖母の家に荷物を預けた後、かよ子の家へと向かった。奈美子の車に引き続き乗せて貰って。奈美子は運転中、ある話をする。
「ところで、秋頃、東アジア反日武装戦線が赤軍と組んで襲ってきたって話、娘から聞きましたよ」
「え?ああ、あの札幌から来たって人のお母さ
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