第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(3)
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感動した!”
“はんぱねえ! ルージュちゃん! すごすぎて、なんも言えねえ!”
驚きと興奮が入り混じる観客達の声に包まれながら、キン肉マンルージュはアシュラマン・ザ・屍豪鬼を見つめる。
アシュラマン・ザ・屍豪鬼は、まるでしゃちほこのように見事なエビ反りを披露したまま、キャンバスに埋まっている。
「アシュラマン・ザ・屍豪鬼選手、全く動きません! あれほどの大技を喰らってしまっては、試合続行は不可能か?!」
アナウンサーの言葉を聞いて、悪魔は怒り混じりの恐ろしい声を響かせる。
「ガーガガガ! 試合続行は不可能か、じゃとお? ふざけるなよ! 試合続行は可能じゃい!」
しゃちほこの格好をしていたアシュラマン・ザ・屍豪鬼は、腹に力を込め、足をキャンバスに下ろした。そして足だけを使って、アシュラマン・ザ・屍豪鬼は立ち上がった。
“きゃああああぁぁぁぁッ!”
観客席から悲鳴が上がる。
アシュラマン・ザ・屍豪鬼は変わり果てた姿を、観客に披露する。胸はぐしゃぐしゃに砕け、腕は三つ編みのままだらりと垂れ下がり、3つの顔は見るも無残に崩れている。
「ガーガガガ! もう全身ずたぼろで、使い物にならん。まさに手も足も出んわい! 普通に考えれば、試合続行は不可能じゃろうな」
アシュラマン・ザ・屍豪鬼は口角から血を流し、喉をヒューヒュー鳴らしながら、砕けた顎でしゃべり続ける。
「じゃがな! 儂は普通ではない! 悪魔じゃあ! 悪魔には、貴様らの常識なんぞ通用せん! こんな身体に成り果てても、勝機は儂にあるんじゃい!」
アシュラマン・ザ・屍豪鬼は目を血走らせ、砕けた口の中に溜まっている血を、ごくりと飲み込んだ。そして今度は、全身から吹き流れている血を、全て吸い上げるかのように、口で激しく吸引していく。
「ガーガガガ! 大量の悪魔の血が、悪魔の真の力を呼び起こすのじゃい! とくと見よ! これが悪魔の邪悪の力じゃあ!」
アシュラマン・ザ・屍豪鬼は、ゲタゲタと歪みきった声で笑い上げながら、全身から真っ黒なオーラを噴出させる。
「発動! 魔界のクソ力!」
その瞬間、アシュラマン・ザ・屍豪鬼は悪魔の暗雲、デヴィルディスペアに包まれた。禍々しい暗雲の中で、アシュラマン・ザ・屍豪鬼は狂気の声を上げる。
「ガーガガガ! 素晴らしい! 素晴らしいぞい! 真・怒り面なんぞ、比べものにならんほどのパワーじゃい! ガーガガガガガガ! 勝った! 儂は貴様に勝ったぞい! デヴィルディスペアが晴れたら、貴様は瞬殺じゃい! 一瞬で貴様を八つ裂きにして、その身を血と肉と骨に別けてくれるわ!」
デヴィルディスペアの中から聞こえてくる狂気の声。しかしその声は、突然、悲痛な叫びに変わってしまう。
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