趣味が合うと仲良くなりやすい?
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おこう。うん。
棚から取ってきたノートを全てネジに渡して見だすのを確認した後、私はネジから返してもらった描きかけのノートにサラサラとデザインを描き始める。これはナルト用のデザインだ。
金と銀でおそろいにして持つんだと言った時のナルトの冷たい眼差しを忘れたわけじゃないけど、その程度でめげる訳がない。
かっこいいものさえ作れれば、きっとナルトも持ってくれるはず!
そんな希望を忘れずに、私は一気に何枚かのデザインを描きあげた。
気まずさから逃げる為の現実逃避なのか、今日は筆が進むなぁ。本当に。しかしネジからの視線が何とも言いがたいよなぁ…。
「何だ?」
デッサンを見たいのか、私と話したいのかどっちだとつっこみたくなるネジの態度に、私は忙しなく動かしていた左手を止めてネジの方に視線を向けた。
「あ…あぁ」
まさか話しかけられるとは思っていなかったのか、どもるネジ。ゆっくりでいいから話したい事があるなら話せ、とばかりの視線を向けながら、私は急かすのでもなく他の事をやりだすのでもなく、ただネジが話しだすのを待っていた。
というか、本当に六才児ってこんなんだっけか。
ここの子供って子供らしくないよね。
話したい事を話さないっていうか、素直じゃないっていうか。
「どうして…初対面の俺に、日向の恩恵を預かりたいわけでもないのに、こうやって話す?」
「……」
え、それ?
聞きたい事って…?
思わず無言になった私に、ネジは真面目な表情でひたすら私を見てくる。
だからこれって子供の会話じゃないよね。そう思うのは私だけかなぁ…。
いや、答えるけどね。
寡黙を押し通してるからってスルーしたりはしないけどね。
「クナイに拘るのが俺と同じで、面白いヤツだと思ったからだ」
さも当然とばかりに淀みなく言ってみせれば、ネジが一瞬だけ瞳を瞬く。そんなに驚くような事を言っただろうか。
今度は逆に、私がネジの反応を待ってみる。
時間だけがいたずらに流れている気もするが、こういう沈黙は気にならない。待たれていると思えば気になるけど、自分が待つ分には構わない。
「……そうか」
「あぁ」
「「………」」
待ってみたけど、やっぱり沈黙だった。
ネジの対話能力は育ってないのか。
育ってないんだろうなぁ。
「ネジ。俺は大体ここにいる。外に出れば修行してる。
何かなくても、来ればいい」
だから、ネジに向けて言ってみた。
やっぱりネジは驚いた顔をしてたけど、やっぱりそういう年相応の顔を見るのは嫌いじゃない。
私の方も困ったヤツだな、なんて苦笑を浮かべてた。
「……あぁ。ラン。お前も、俺に声をかけろ。俺も大体修行してる」
「わか
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