暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜
SAO編ーアインクラッド編ー
04.龍使いと橙
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少し間を開けて口を開く。

「君はMMOはソードアートオンラインが始めて?」

「はい」

「どんなゲームでも人格が変わるプレーヤーは多い。中には進んで悪人を演じるプレーヤーもいる。俺たちのカーソルは緑色だろ、だが、犯罪を行うとカーソルはオレンジに変化する。その中でもPK(プレーヤーキル)、いわゆる殺人を犯したものは、レッドプレーヤーと呼ばれる」

シリカが驚く。

「.......人殺しなんて」

「従来のゲームなら悪を気取って楽しむことができた。でも、このゲームはわけが違う。......このゲームは遊びじゃねぇんだ」

手に持つ、湯のみを握り潰しそうになる。

「シュウさん」

「.....すまない」

「シュウさんはいい人です。あたしを助けてくれたもん」

シリカが机をまたいで、俺の手を握る。

「俺が慰められちゃったな。ありがとう、シリカ」

シリカは顔を真っ赤にして、熱くあった顔を手で仰ぐ。

「あれ、チーズケーキ遅いな。すみませ〜ん、デザートまだなんですけど!」




「シリカ、まだ起きてる」

シリカが泊まる部屋をノックする。

「しゅ、シュウさん!」

「四十七層の説明を忘れてたんだけど、明日にしようか?」

「あたしも聞きたいと思ってたところで......」

部屋のドアを開けるとベットの上に部屋着の白ベースのワンピースで座るシリカが。なぜかその顔は少し赤い。

俺は丸いテーブルを部屋の中央に移動させる。その机の上にミラー・ジュスフィアを置く。

「シリカ、どうかした?」

「いえ、なんでも。シュウさん、そのアイテムは」

「ミラージュ・スフィアっていうんだ」

ボタンを押すと、光が現れ、それは球体を描く。

「うわぁ、綺麗」

ミラージュスフィアは47層の地図を描く。

「ここが四十七層の市街区、こっちが思い出の丘、でこの道を通るんだけど......」

言葉を切る。

「シュウさ......」

「しっ、誰だ!!」

勢いよく扉を開けると階段の方に消える人影の姿が。

「なん、ですか?」

「聞かれていたな」

「でも、ノックなしだとドア越しの声は」

「ノックなしでも聞き耳スキルが高ければ別だ。そんなのあげてるやつなかなかいないけどな」

「なんで立ち聞きなんか」

(もしかしたら奴らの狙いは........)




二〇二四年二月二十四日 第四十七層・フローリア

そこは一面花に囲まれた街だ。

「うわぁ、夢の国見たい」

「この層はフラワーガーデンと呼ばれていてフロア全体に花が咲いてるんだ」

はしゃぐ子供のようにシリカは花を見る。


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