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レーヴァティン
第百九十一話 東国のことその八

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「これといってな、焦るものもあるが」
「海の魔神のことやな」
「やはりな」
「それやな」
「まだ何もわかっていない」
 一切だった、まさに。
「朝廷の神託もな」
「ないさかいな」
「歴代の帝神の方々からな」
 この世界では日本の歴代の天皇陛下は都の御所に帝神として祀られている、この浮島そして下の今は海に沈んでいるある国を守護する帝神と言われる存在となっているのだ。
 そしてその方々からもというのだ。
「神託はない」
「そやねんな」
「今上の方もであられ」
「これまでの方々もやな」
「仰ることはない」
「一切か」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「これがな」
「そやねんな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「海の魔神のことはな」
「わからへんな」
「何者で何処にいるかな、しかしな」
「世界を全部海に覆う様な奴やさかいな」
「下手な力では太刀打ち出来ない」
 このことは確かだというのだ。
「間違いなくな」
「それはそやな」
「俺達だけで勝てるか」
「無理やな」
「そうだ、だからそれぞれの浮島を統一してだ」
「その軍勢で魔神と戦う」
「その様にしなければ駄目だと思うからだ」
 それ故にというのだ。
「俺達もだ」
「今自分達を鍛えると共にな」
 鍛錬もして魔物退治も行っている、巨人達が出るともう必ず倒しに出ている。
「戦ってもいるわ」
「そうしてだ」
「強うなってるな」
「軍勢を整えると共にな」
「そやな」
「俺達が個々に強くだ」
「精兵もおるとな」
「強大な魔神が相手でもだ」
 例えそうであってもというのだ。
「勝てる」
「その筈やな」
「だからだ」
 そう考えるからだというのだ。
「俺達はだ」
「今はそうしてるな」
「そういうことだ、魔神のことは知りたいが」
 その考えは事実だがというのだ。
「それでもだ」
「知ることが出来んなら」
「俺達のやるべきことをやる」
「そうしていくな」
「そうするだけだ」
「それぜよ、敵の強さがわからんでも」
 当季も言ってきた。
「やっぱりこっちを鍛えてるとのう」
「対応出来るな」
「若し黒船が来た時に自分等も黒船を持っちょったら」
 幕末のはじまりのその話を例えに出して話した。
「全然驚かんわ」
「こちらも同じだけ強いならな」
「少なくとも備えをしちょったらじゃ」
 それならというのだ。
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