輝く目
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ターの部屋からは外れてしまっていたらしい。しょんぼりとしながら歩いた先でこの群れとであった。
「不幸だ……」
思わず口をついて某ウニ頭の少年の口癖がでた。これもまたウニ頭の少年が言った事だが喧嘩と言うのは一対三をこえると実力云々以前にまず無理だ。勿論俺もそう思うのだが幸運な事にこれは喧嘩ではない。一対三では済まない数の比率で俺に襲い掛かるトカゲ男を刀で持って草の根を刈るように薙ぎ払う、切り払う、突き捨てる。
が、それでも一向に数が減らない。
「やれやれ……トラップは踏んでない筈だけどねえ。」
宝箱トラップを踏んだときのような数の敵を見て俺は辟易とした。
「ぐるぁっ!」
「おせぇっ!」
俺の怒鳴り声とその咆哮はほぼ同時に響いた。そして俺の刀は的確に奴の弱点である胸を貫いていた。だが突き刺したという事は薙ぎ払う事ができないという事だ、トカゲ男達ははその隙を見逃すまいと一気呵成に打ちかかってくる。俺に防ぐ術は無いー
…………俺にはな。
「ナイスだ、リーシャ。」
「それ程でも、アリオス副団長。」
紫色の髪をした少女が、その華奢な体に似合わぬ肉厚の刃の大剣を持ってトカゲ男の俺への攻撃を防いでいた。
その間に俺は貫いていたトカゲ男を切り捨ててポリゴンの破片にした。
さっき俺が何も無い空間に話したがその正体がこの娘だ。「銀」と言う渾名を持つ血盟騎士団の一員で俺の側近でもある。防いだ大剣を片手で握り一閃して彼女もトカゲ男を粉砕した。
「流石だな。」
だがまだまだトカゲ男は残っている。どうしたもんかねと考えているとリーシャが「心配ありません」と口にした。
「それより急ぎますよ、副団長の嫌な予感は当たっていました。」
「嫌な予感………まさか軍の連中!?」
「いえ、まだ全員生き残っています。ただ………ボスに挑むつもりのようで。」
「なんだと!?」
だったら尚更このトカゲ男共を何とかしなくちゃあ………
「行って下さい副団長。」
「行って下さいってオメそれにしてもアイツらどうにかしなかったら。」
「大丈夫です私『達』でどうにかしますから。」
そう言ってリーシャは後ろを見るように言った。俺の眼に映ったのは
「ふっとんじまいな!!」
最上級ハルバード専用ソードスキル「クリムゾンゲイル」のエフェクト光の眩しさに俺は思わず眼を閉じた。
「ランディ!」
その大技でトカゲ男を一気に薙ぎ払って吹き飛ばした男の名前を呼んだ。
リーシャが俺の肩を叩く。
「救援要請はもう行なったって事です。」
「仕事が速いな……助かる!」
そう言ってトカゲ男の群れの開いた隙間に俺は「疾風」で切り込んで、群れを抜けて行った……
無我夢中で走り抜けその先で見たのは伝達通りの悪魔の姿をした巨大なボスモンスターと一方的にやられるのみの軍の連中だった
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