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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第279話「死闘、勝利の可能性」
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性”も“天使”にほとんど相殺されるから、貴方達の“意志”次第でどうなるか決まる。……絶対に勝てない訳じゃない。それだけは忘れないでね』」

「『……ああ』」

「『……了解』」

 それはつまり、“意志”以外で勝ち目はないという事。
 物理的な戦闘では、ずっと劣勢を強いられる事を意味していた。

「(勝利の“可能性”を掴むのがどちらか。……勝負と行きましょうか)」

 優奈達は覚悟を決め、再び戦いに身を投じた。













「っ、ぁあっ!?」

 一方。神界の法則で分断されたなのは達。
 そちらも善戦しているとは言い難い状況だった。
 理力の刃に翻弄されたアリサが、防御の上から吹き飛ばされる。

「ッ、フェイトちゃん!アリサちゃんを連れて離脱して!」

「うん……!」

 なのはの言葉にフェイトは前衛から抜け、アリサを抱えて移動する。
 同時に、なのはに前衛を一人で担当させる事になるが、躊躇はしない。
 躊躇すれば一瞬で打ちのめされるのがわかっていたからだ。

「ッ、くっ……!」

 だが、当然ながらなのは一人では抑えきれない。
 後方からアリシアとすずか、はやての援護があるが、それでも攻撃は抜けてくる。
 数手先で回避も防御も出来なくなると悟り、即座に退く。

「判断が上手い……それだけ、経験を積んだのね」

 攻撃が一旦止み、相手のレイアーはそう呟いた。
 対し、なのは達は既にダメージを負っていた。

「でも、その程度で私に勝てると思わないで」

「っ……!」

 明らかに優勢だからか、レイアーはなのは達を見下ろしながらそういう。
 完全に下に見られている。それがわからないはずもない。

「舐められちゃ、困るね!!」

   ―――“弓奥義・朱雀落-真髄-”

 朱雀を模した炎の矢を、アリシアが放つ。
 “意志”も込めたその一撃は、神でも直撃すればダメージは免れない。

「事実だもの。貴女達が勝つ“可能性”は既に摘んだわ」

 だが、その一撃が“外れる”。

「やっぱり……そう簡単には当たらない、か」

 アリシアとて、何も絶対に命中させる程の腕前はない。
 だが、それでもほとんどの確率で命中させる事は可能だ。
 ……つまり、それは裏を返せば外す“可能性”があるという事。
 レイアーはその“可能性”を手繰り寄せ、攻撃が命中しないようにしたのだ。

「いざ敵に回ると、嫌って程思い知らされるね」

 アリシアの呟きに、なのは達も無言で同意する。
 今の所、レイアーは本気で倒しに来ていない。
 余裕だからこそ、その余裕を保つように圧倒しているだけだ。

「でも……」

「まぁ……」

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