第十二幕その十二
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「幸村さんが幸せならね」
「いいんだね」
「ええ、本当にね」
「今回の旅は日本に触れる機会が多かったけれど」
木挽きの馬は恵梨香の今の言葉を受けて考えるお顔になりました、そうしてそのうえで恵梨香に言葉を返しました。
「面白かったよ」
「忍者にお相撲にお侍に」
「頓智にね。色々触れられてね」
「私もよ、今回の旅も素敵だったわ」
恵梨香は木挽きの馬に笑顔で応えました。
「本当にね」
「うん、オズの旅だったね」
「ええ、それでね」
「それで?」
「今は旅を終えたお祝いでね」
「こうしてだね」
「飲んで食べて」
そうしてというのです。
「楽しむわ」
「そして僕はその皆を見てね」
「楽しむわね」
「それがいいわ」
ここでポリクロームが言ってきました。
「私も踊ってね」
「楽しむのね」
「そうするわ」
「そうなのね。今回の旅は貴女とも一緒になれたし」
「面白かったわね」
「ええ」
とてもというのでした。
「私達もね」
「それは何よりね、それはそうとね」
「どうしたの?」
「私も今度幸村さん達に忍術を教わってみようかしら」
「いいね、じゃあ僕もね」
木挽きの馬もポリクロームの言葉を聞いて言いました。
「忍術を教えてもらおうかな」
「拙者達でよければ」
幸村さんは木挽きの馬達に笑顔で応えました。
「そうさせて頂きます」
「それじゃあね」
「はい、ではその様に」
「そうしたら僕は何になるのかな」
「忍馬ね」
恵梨香が答えました。
「その時は」
「忍馬だね」
「ええ、忍術を身に着けた馬だから」
だからだというのです。
「そうなるわ」
「いい名前だね、じゃあ忍馬になるよ」
木挽きの馬は恵梨香に笑顔で応えました、皆は彼のその言葉を聞いてでした。
それならなってねと笑顔で言いました、木挽きの馬は絶対にと言ってその場で足をパカパカと鳴らしました。後に忍馬になって尚更走るのが速くなりました。
オズの木挽きの馬 完
2020・11・11
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