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オズの木挽きの馬
第十二幕その八

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「我等も同じ」
「殿と同じなればあらゆるものは美味」
 甚八さんは言い切りました。
「まずいものなぞ一切なし」
「いや、凄い絆だね」
 かかしは十勇士の人達のお言葉に唸りました。
「幸村さんと十勇士の人達のそれは」
「これだけの絆があればこそだね」 
 樵も言います。
「今も一緒なんだね」
「こんなに絆の強い人達はいないよ」
 モジャボロも言うことでした。
「本当にね」
「オズの国には色々な人がいるけれど」
 弟さんはお兄さんに続きました。
「この人達の絆は特に凄いね」
「そうね、だからヒーローなのね」
 ガラスの猫も言いました。
「日本人の間で」
「十人の人達は強いだけじゃないから」
 恵梨香は皆にお話しました。
「この凄い絆もね」
「魅力なのね」
「そうなんです」
 恵梨香はドロシーにも答えました。
「この人達は」
「そういうことね」
「十人で幸村さんを助けて盛り立てて」
「そして幸村さんも必死だから」
「もう全てを賭けてでしたから」
 こうドロシーにお話しました。
「される人なので。曲がったことはしないですし」
「ここまでよく言われるとは思っていませんでした」
 幸村さんご自身も言います。
「拙者は」
「そうなんですか」
「拙者は山国の田舎者。長い間浪人もしていましたし」
「ですが上田城でも大坂の陣でも」
「働いたと」
「それがあまりにも素晴らしくて」
 恵梨香は幸村さんにお話しました。
「ですから」
「ううむ、皆そう言ってくれるが」
「私達は皆幸村さん大好きですよ」 
 ヒーローのこの人がというのです。
「十勇士の人達も大助さんも」
「少なくとも凄いことをされましたよ」
 このことはカルロスが言いました。
「テレビでも漫画でもゲームでもわかります」
「確かに負けましたけれど」
 それでもとです、ナターシャは幸村さんに言いました。
「目的は果たされましたし」
「それで誰も言う筈ないです」
 神宝も言いました。
「悪くなんて」
「オズの国におられるのも当然ですよ」
 ジョージも微笑んで言います。
「素晴らしいことをされた立派なヒーローですから」
「ならいいが」
「はい、それで幸村さんは忍術も使われるそうですが」 
 恵梨香は幸村さんに今度はこう尋ねました。
「大坂の陣でも」
「実は使っていた」
「そうだったんですね」
「それは大御所殿も察しておられたがな」
「家康さんもですか」
「見破らせなかった」
 その忍術をというのです。
「どの術もな」
「色々な忍術を使われますか」
「五遁の術をはじめとしてな」
「水遁の術も火遁の術もですか」
「使える、拙者は自ら忍術を使って」
 そうしてというのです。
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