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レーヴァティン
第百九十一話 東国のことその六

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「芋、サツマイモやジャガイモもな」
「特にサツマイモですね」
「あれを大いに作らせています」
「それを食ってもらう」
「そうしてもらいますね」
「存分にな、常に腹一杯になってもらってだ」
 そしてというのだ。
「働いてもらう」
「左様ですね」
「これからは」
「幕府の下で」
「そうなってもらいますね」
「人は常に腹一杯になってだ」  
 そうしてというのだ、英雄は今度は味噌汁を飲んだ。朝のその絶品の味噌汁を飲んで目も覚ましている。
「そこからだ」
「満足に働けます」
「まさにそこからです」
「衣食住といいますが」
「まずは食うことですね」
「そこからですね」
「そうだ、満腹になってだ」
 そうなってというのだ。
「そして服となってな」
「家ですね」
「そうなりますね」
「まず食うことですね」
「そしてそこからですね」
「服も家もとなり」
 そしてというのだ。
「国も豊かになる」
「そこまで達せて満足に働けて」
「そうしてですね」
「国は豊かになりますね」
「まさにそこからですね」
「逆に言うと食えなくてはだ」
 それが駄目ならというのだ。
「最早だ」
「豊かになれないですね」
「まことの意味で」
「上様がいつも言っておられますが」
「そうなのですね」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「まだ当分の間はな」
「政に専念されますね」
「手に入れた領地のそれにも」
「左様でありますな」
「そして盤石になってだ」
 そうなってからというのだ。
「それからでいい」
「東国のことは」
「そうなのですね」
「だからですね」
「今はですね」
「兵は動かさないですね」
「兵は動かさない」
 英雄はこれは確かだと言った。
「実際にな、しかしな」
「それでもですね」
「密偵は送りますね」
「東国に」
「そしてその実情を知りますね」
「隅から隅までな、そして戦の用意もだ」
 これもというのだ。
「進めていく」
「兵の鍛錬は怠らず」
「武具の用意もしますね」
「鉄砲や大砲も」
「全て整えますね」
「やはり鉄砲があるとな」
 それならというのだ。
「違う」
「左様ですね」
「東国は我等より持っている鉄砲の数が少ないです」
「それも圧倒的に」
「持っていることは持っていますが」
 それでもというのだ。
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