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レーヴァティン
第百九十一話 東国のことその三

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「そしてそれがな」
「心配になるな」
「だから俺はおかずの方もだ」
「食う様にしていってるか」
「政でな、麦もな」
 この作物もというのだ。
「食う様にしている」
「米だけじゃなくてか」
「脚気は国の政にも関わる」 
 実際に江戸時代から明治までこの病は日本を悩ませてきた、日清戦争でも日露戦争でも多くの犠牲者を出している。
「だからだ」
「そちらにも気をつけてか」
「民を食わせている」
「そっちも大変だな」
「だが米がありサツマイモもあるとな」 
 それならというのだ。
「もうな」
「食いものはかなり助かるか」
「実際にそうなっている」
「麦とジャガイモの組み合わせよりいいか」
「そうだな、そして俺の方もな」
「ああ、領土を拡げていってるか」
「そうなった、それでだ」 
 英雄はさらに話した。
「これからそのことを話していいな」
「東の浮島のことをな」
「話していいな」
「ああ、聞かせてくれ」
 久志はカレールーとご飯を一緒に食べつつ言った。
「是非な」
「ではな、しかしだ」
「しかし?どうしたんだ?」
「お前のところではカレーはないか」
「ああ、あるにはあってもな」
「主食ではないか」
「そうなんだよ」
 これがとだ、久志は英雄に少し苦笑いで答えた。
「おかず、スープと同じ様なな」
「扱いか」
「そうなんだよ」
 これがというのだ。
「実はな」
「カレーがおかずか」
「リゾットやパエリアと一緒だよ」
 西の浮島におけるカレーのポジションはというのだ。
「主食じゃないんだよ」
「パスタみたいなものだな」
「スープとな」
「同じだな」
「そうだからな、ボリュームはあっても」
 それでもというのだ。
「主食じゃないんだよ」
「米がそうだな」
「ああ、米は主食っていうのはな」
 このことはとだ、久志は英雄に話した。
「やっぱり俺達にとっては基本だろ」
「日本人ならな」
「それで話は聞いていてもな」
「パンが主食だとか」
「そこに違うものを感じるぜ」
 カレーのご飯を食べながら言った。
「どうしても」
「西の浮島にいた時の俺もそうだったが」
「そうだろ、やっぱり主食はな」
「俺達にとっては米だ」
 英雄も言い切った。
「やはりな」
「その米があってもな」
「主食でないとな」
「その時点でどうかとなる」
「そうだよな、それでな」
「ジャガイモを大々的に採り入れてもか」
「それが主食なのを見てもな」
 どうしてもというのだ。
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