暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギア無印編
大人達のお茶会
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気になる事があるんだけど?」
「ん?」
「私は話でしか聞いてないけど、魔法使いがファントムって言う怪物になっちゃったんでしょ? あの2人がそうならないって言う保証はあるの?」

 それは颯人から聞かされた事であった。魔法使いは一定の力を得た者が魔力の制御を何らかの形で失うと、体の内に眠る魔力が実体化し怪物化すると。それこそがファントムであり、魔法使いが辿る末路の一つであると言う。
 尤もこれ自体ウィズからの受け売りなので、結果的に言えばウィズから聞かされた事にもなる訳だが。

 その問いに対して、ウィズからの答えは簡潔だった。

「そこは心配するな。魔法使いがファントムに変異するなど早々起こる事ではない。前回のあれは死の間際のヒュドラの生に対する強い執着やフィーネに対する憎しみが原因だろう」

 そこでウィズは何かを思い出したように了子に問い掛けた。

「それよか、そっちこそ大丈夫なのか?」
「大丈夫って?」
「立花 響の事だ。アルドが地味に心配していたぞ」

 逆に問われて、了子は何とも言えない顔になってしまう。それは機密云々ではなく、純粋に彼女でも判断に困る内容である事を意味していた。

「その事ねぇ。正直に言って、私にも分からないわ」
「了子君でも分からないのか?」
「現状では、の話よ。前例がないから、これからどうなるか予想もつかないのよ。そもそもあの子のギア自体かなりイレギュラーだし」
「と言うと?」

 了子は一旦席を立つと、端末を操作してデータをプリントアウトして持ってきた。

「色々と調べて分かったんだけど、どうやら響ちゃんのギアには奏ちゃんのギアと違って絶唱の力を調律・制御する事が出来るみたいなのよ」
「ほぉ?」
「そんな事が!?」

 これは初耳だった。そもそも響が絶唱を目の当たりにしたのが、フィーネとの最終決戦でのクリスの奴だけだったので分かる訳も無い。

「多分、響ちゃんが聖遺物と融合しているからこそなせる芸当でしょうね。負担は響ちゃんに集中するでしょうけど、それを上手く制御できれば今までに比べて格段に低リスクで絶唱が使えるわ」

 そのまま響と彼女のギアについてのあれこれに話が移行しそうになったのを見て、ウィズが席を立った。弦十郎が彼を見やると、これ以上話す事は無いと言う雰囲気を彼は纏っていた。

「まぁ、今の所問題が無いなら私は気にしない。話したい事は全て話した。後は精々頑張るのだな」
〈テレポート、ナーウ〉

 言いたい事を全て言い終え、ウィズは魔法でその場から消えてしまう。後には彼が持ってきたティーセットだけが残された。

「……行っちゃった」
「何と言うか……颯人君が落ち着きを持ったらなりそうな感じの男だったな」

 前々から弦十郎は、ウィ
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