第七話 洋館の中でその七
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「希望の親戚の人だけれど」
「叔父さんとか叔母さんとか?」
「その人達も。そうした人達なの?」
「いや、皆が皆じゃないけれど」
「そうよね。そんな人達ばかりじゃないよね」
「僕の両親だけが特別にそうで」
自分でも思い出していきながらだ。答える希望だった。
「いい人だって一杯いるよ」
「あのお友達みたいな人も?」
「感じは違うけれどね」
それでもいるとだ。希望は話した。
「父方の大叔母さんだけれど」
「その人はとてもいい人なのね」
「神戸に住んでてね」
自分からだ。希望はその人のことを笑顔で話した。
「それでね」
「その人とはなのね」
「うん、凄くいい人でね」
「希望にも?」
「僕もうお祖父ちゃんもお祖母ちゃんもいないけれど」
それでもだというのだ。
「その人が僕にとってはお祖母ちゃんなんだ」
「そんなにつながりある人なのね」
「そうだよ。本当にいつも優しくて励ましてくれて」
向日葵を見ながら話をしていく希望だった。
「僕を包み込んでくれてね」
「希望を?」
「うん。僕にとっては友井君、それに千春ちゃん」
「そしてその人なのね」
「かけがえのない人だよ」
こう話したのだった。
「おばちゃんはね」
「おばちゃん?」
「うん、いつもそう呼んでるんだ」
その人のことをだ。そうだというのだ。
「僕にとっては。いつも優しくしてくれて褒めてくれて」
「認めてくれてるの?希望のこと」
「そうなんだ。僕はやればできるってね」
「その通りだね」
「おばちゃんの言う通り?」
「そうだよ。希望だって誰だってね」
その誰もがだというのだ。千春は笑顔でその希望に話す。
「やればできるから」
「できるんだ。それだったら」
「これまで通りね。努力すればいいよ」
「そうだね。おばちゃんも言ってるし」
「まずは努力だよ」
にこやかな。このうえなく優しい言葉をだ。千春は希望に告げたのだった。
「それが実るとかそんなのはまず考えないで」
「努力することだね」
「そう。努力することだよ」
そこからだというのだ。全てはだ。
「それは絶対に実るから」
「そういえば向日葵も」
今二人で見ているその花のことをだ。希望はここで頭の中に入れてそれから述べた。
「ここまで大きくなるのに」
「努力したんだよ」
「そうだね。最初は種でもね」
「どんな草木もお花も最初は種なんだよ」
「ほんの小さなね」
「けれどその小さな種が」
向日葵達、その大輪達を見ながらだった。
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