episode11『覚悟』
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言いたいことの全容を掴み始めた。
「ほんとに真っ白なんだね。魔女の人は何回かテレビで見たことあるけど、こんなに白いの、お姫様以外で初めて見た」
「お姫様?」
「天孫家の東子さま。あの人もミナと同じで魔女体質なんだって」
そう言われればすぐに心当たりも浮かんでくる。テレビをある程度見ていれば何度か目にする機会もあるような有名人――この日本皇国の行く末を決める六侯爵会議の、実質的トップを担うやんごとなき身分の令嬢であり、それと同時にヒナミと同じく、魔女の中でもごくごく珍しい“完全な純銀色の髪”を持った存在。
魔女の髪色、そして眼は、魔女として“完成”に近ければ近いほど銀色に近くなっていく。魔女だからと言って皆完全に銀色の髪を持っているという訳ではなく、その殆どは少し銀色が混じっていたり、或いは髪を見る角度によって銀色に見える、と言った場合が多い。
魔女として完成に近ければ近いほど、製鉄師と契約を結んだ際の爆発力も高まるというのは周知の事実だ。それに付随して製鉄師側のイメージを受け止める基盤もより強固となり、故にこそヒナミは身柄を追われているのだ。
「……お姫様に手を出そうなんて馬鹿な事、する訳もないしね」
体質の事を抜きにすれば、ヒナミはただの一般人でしかない。
ヒナミと彼の皇女殿下、云わばただの町娘と国の重要なお姫様だ。歳は同じだそうだが、もし仮にヒナミと皇女殿下が同程度の魔女としての才を持っていたとして、犯罪者だって喧嘩を売る相手くらい選ぶということだろう。
「……ミナはその体質、あんまり好きじゃないの?」
「――え?」
さっきとまるで同じ、呆けた返事。けれどその意味はさっきとは違う。
聞き取った上で、驚いた。一度もそんなことを彼女に言った事はないのに、急に核心を突かれたようで、思わず目を見開いて固まってしまう。
「髪の色の話すると、いつも変な顔するから。だったらごめんね。でも、私はミナが羨ましいの」
「……羨ましい?」
ヒナミが聞き返せば、マナはこくりと頷いて見せる。「ちょっと意地悪なこと言っちゃうかもしれないけど、ごめんね」と前置きしたうえで、出窓に腰掛けたままジッと、ヒナミの眼を見つめた。
「シン兄のあの怪我、見たよね」
「……うん、シンの『歪む世界』のせいだって聞いた」
「そう。シン兄の歪む世界の力が強すぎて、シン兄自身をどんどんボロボロにしていくの。気づいたら、いつの間にかいくつも酷い怪我が出来てる。前のは刺し傷みたいのだったけど、もっと前だと骨折だったり、大火傷したり、見るだけで痛そうなのばっかり。でもシン兄は全然痛くないって言うの」
ナイフで背を抉られたような大怪我を背負ったまま、何でもないように振る舞
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