衝動
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簡単じゃない。
この世は全て理不尽で出来ている。
それでもなお、進み続けなければならない。
「来い“白の剣士”これが最後の一撃だ」
「いくぞ“クソ野郎”歯ァ喰いしばれッ!!」
二人が踏み込んだのは同時だった。
剣と拳の腕をそれぞれ磨いてきた二人、形は違えども目指した頂は同じだった。
強くなりたい。
ただひたむきに走り続けた2年と少しの夢物語。
その中ではじめて出会った唯一無二の好敵手。
「焔星剣流…」
「覇王槍拳流《雷神の型》…」
自分を抑え込んできた日々だった。
これが正しかったのかは今でも分からない。
それでも、これだけは言える。
『君に出会えて良かった』
これで全て終わる、終わらせる。
「聖槍!」
「始ノ太刀!」
超えたいと焦がれ続けた日々だった。
追いつくために、追い越すために。
『上がれ…もっと、もっと…熱くッ!!』
灼熱の如き想いは剣の光となって輝く。
炎は更に燃え上がりやがて白の炎へと色を変える。
“勝ちたい”という“衝動”に“本能”に従え
想いが形を成すように??????
「《雷神の鉄槌》ッ!!!」
「烈火“暁”ッ!!!」
雷撃と業火が衝突したその瞬間、その威力を物語るかのような衝撃と熱が遠くのギャラリーにまで及んだ。
「うぉわっ!」
「この威力は!?」
「それに、この熱は!」
「っ…!」
爆発に似たそれは大地を大きく揺らした。
破壊不能オブジェクトの表示はいつまでたっても消えることなく残り続ける。
その中で立つ二人の戦士。
「君の戦う理由はなんだ…?」
いつかの戦いと同じことを問うシュタイナー。
「昔はみんなを守るためって言ってたけど、今回は違う…」
身体に残る倦怠感が大きくなり意識が遠くなっていく中、シオンは答えた。
「友達と明日の予定を立てるためだ…」
それを最後に二人は炎なって消えていった。
その時のシュタイナーの顔は、ほんの少しだけ笑っているようにも見えた????―
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