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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
794年1月号アライアンス・ポリティカ誌より
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つながると反対しておる。
おそらくその三党間の均衡を如何にとるかをサンフォード議長の手腕が問われることになるじゃろう。
今後は構成邦に対してもさらなる負担分担を求めてくる可能性もあるじゃろうが、それも同盟軍首脳部の方針次第じゃ。
ひとまずは軍の新首脳部と国防委員会の人事を確定させることで、中長期的な内政・社会面の政権の方針が定まることになるじゃろう。
オリベイラ氏
私は地域間の断裂に焦点を当てて話そう。特に分権派の言説によく表れるような、【バーラト・エリート】によって自分たちの決定が損なわれているという議論が自由惑星同盟構成邦の多くに受け入れられる土壌があるということに注目しなければならない。
仮にイゼルローン要塞が政権一年目に奪取できても、すぐそれが改善するとは考えにくいのは私も実感している。これは現政権の政策のみならず政権の意思決定過程にも強く影響するのではないだろうか。
そしてもう一つ指摘したいのは、同盟と構成邦の権限問題だ。自由惑星同盟は長らく各構成邦の財政格差を調整する機関であったが、長年の戦争、特にイゼルローン要塞が完成してから同盟政府が危機管理の面から介入する法制度が進みつつある。
これは思想の面だけでなく、現実の危機管理問題としてそうならざるを得ない。今後は同盟政府側の権限が強くなるということを前提とした上で、『同盟政府が構成邦の安全を保障する』という言葉の解釈、構成邦の自治と主権の根幹に関わる問題が急進派の伸張により新たな政治問題として浮上する可能性は大いにある。
急進派の主張を同盟世論と主要政党がこれからどう受け止めるのか、これも注目するべきだろう。
――ありがとうございました。
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