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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
794年1月号アライアンス・ポリティカ誌より
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り、政策通としても中央派と地方党人派の橋渡役としても良い人材じゃろう。
じゃがそれとは別に議長を含め、三党連立、および各地域の弁務官への真摯な対応が現在の時勢から建て直すために必要じゃろうて……
サンフォード政権の展望
――中長期的にみて、急進派の伸張は政権運営にどのような影響を与えるでしょう
オリベイラ氏
おっと、これは難しい質問が飛んできたな(笑い声)
実際のところ、帝国の情勢にもよってくるだろう。イゼルローン要塞の無力化が行われれば、経済復興と社会の断裂阻止に視線が向く可能性もある。そこはまた民意に諮ることになるだろう。
だが現状が続くという過程で考えれば急進派であっても続けざるを得ないだろう。現実として構成邦と同盟政府の権限は複雑に入り組んでいる、同盟政府の権限が強まっているのは事実だが権限の問題は常に稟議と妥協が必要になる。
エプレボリ氏
急進派の台頭の主要な要因は戦略の主導権を握れていないことじゃ。そうした点ではイゼルローン要塞の無力化が重要であるということは同意するのじゃが、そこからどのように向かうか、民主主義は多数派が正義であるがゆえに、少数派との対話も必要になる。社会的な断裂は大きな方針転換が求められたときに思わぬ形で顕在化するものじゃ。
ふむ、現状が続くと仮定するのであれば同盟政府自体よりも構成邦政府に目を配るべきじゃろうな。急進派がもしどこかの構成邦政府の与党となればそれを足掛かりに上院への影響力も跳ね上がる、同盟政府への発言権は飛躍的に高まるじゃろう。
逆に言えばよほどのことがない限り、現政権においてはそこまで影響力はないじゃろうな。
――なるほど。それでは最後に自由惑星同盟社会の状況を分析する上で、どのような点に注目すればよいですか。
エプレボリ氏
オリベイラ殿が先ほど仰っていた通り、サンフォード政権は主として【交戦星域】への帝国軍侵入の阻止とイゼルローン要塞の無力化を軍の統帥者として行うのと同時に同盟全域の戦争継続、および国民生活安定のための対症療法が求められるのじゃ。
あえて安全保障面の指摘をすれば、同盟社会をいま揺り動かしている諸々の力学は、同盟の安全保障政策に対して総じて積極的な方向に作用すると儂は考えておる。
左派の労農連帯党の場合は、もともと軍事予算の削減ではなく。兵士の待遇改善を含めた総括的な軍による地域の安定を重視する傾向があるからの。
一方で現在の反戦派はバーラト首都圏を中心とした運動であり全体とてみると上院を見てもわかる通り”同盟政界”においてはまだ根付いているはいえぬ。
とはいえ、個人主義的ハイネセン主義は一人一人の経済的自由や市民的自由を重視するの。自由党はもともと個人主義が主流派じゃ。軍事力増強についても、政府権力の拡大に
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