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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
794年1月号アライアンス・ポリティカ誌より
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しょう。
 しかし現実は厳しく、今回の選挙ではそれでも事前の世論調査の時点で急進派の伸張は著しく中道系三党の大連立を模索することになった。
連立を組んだことで与党議席は60%を超えているが注目するべき点はこの主要三政党がいずれも実際に議席数を減らした結果でこうなったということだ。
  カーティス弁務官が各構成邦政府の意向をまとめ上げ、上院で安定した多数派を形成したことで中道派をまとめ上げることになった。
 国務委員長のカーティス氏が上院のかじ取りを担うことになるだろうが、大胆な改革は良くも悪くもできないだろう。


エプレボリ氏
 総体として厳しいかじ取りを強いられるというのは同感ですの。また、注目するべき点として国民共和党内部で構成邦政党出身のいわゆる『地方党人系』の勢力が弱まっている点も注目するべきじゃろう。国防委員長として指名されているヨブ・トリューニヒト氏、経済開発委員会の副委員長となったコーネリアス・ウィンザー氏など知名度の高い者が構成邦の政治キャリアを積まず、直接選挙に出たものが幹部の地位を多く占めるようになってきた。彼らは中央政界でのみ活躍していることから『中央派』と呼ばれておる。
彼らは同盟世論の風向きに敏感じゃ、そして知名度の高い中央出身の財界やマスメディア出身のエリートが多い。
 上院との意思疎通の面などでサンフォード議長をはじめとするベテラン調整政治家の後継者が不足しつつあると感じますの。
 【交戦星域】のみならず各地域で同盟主義の【バーラト・エリート】と構成邦に暮らす人々の乖離を強く感じるようになっている。


――【バーラト・エリート】という単語はエプレボリ教授の著作で党人との対立項として用いられてきました。分権派や急進派の伸張は同盟政府への反感ということでしょうか


エプレボリ氏
 そうですの‥‥‥急進派の伸張に対し、これまでの主要三政党に対し、四大政党の一角と呼ばれてしかるべき規模まで主権自治連合が躍進したことは、国民共和党のいわゆる【保守本流】の調整能力の欠如が問題じゃ。
構成邦政党単位で公然と同盟主要政党への挑戦がなされた形になるの。
じゃが第四極となりつつある主権自治連合は現実的な分権政策を推進する方向に転進しつつあるこちらはそこまで深刻な問題ではあるまい。
 良くも悪くも現実的な対帝国戦争を見据えたうえでの愛郷的な大衆主義(ポピュリズム)が台頭しつつある。同盟政府への集権化に辟易しているというのが現実じゃろうて。
 愛郷主義(リージョナリズム)国民国家主義(ナショナリズム)の乖離に耐えられなくなった――というよりも同盟政府を国民国家(ナショナル)とみなせなくなった、というべきじゃろう。
【バーラト・エリート】という言葉は抑々、儂自身が考案したものではなくフィ
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